2005 Fiscal Year Annual Research Report
CPP-ACP配合ペーストの脱灰抑制および再石灰化促進の効果について
Project/Area Number |
17592150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小方 清和 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (90257006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白瀬 敏臣 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (20247018)
割田 幸恵 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (50386257)
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Keywords | CPP-ACP / キシリトール / 再石灰化 / ウシエナメル質 |
Research Abstract |
我々はカゼインホスホペプチド-非結晶性リン酸カルシウム複合体(CPP-ACP)とキシリトールを配合したペースト(MIペースト^<【◯!R】>ジーシー社製)が齲蝕予防に有効であるかを研究し、エナメル質の脱灰抑制および再石灰化の促進効果があることを確認した。しかしCPP-ACP単体配合のペーストではその効果が明確でなかったため、脱灰ウシエナメル質においてCPP-ACPとキシリトールの再石灰化促進効果を比較検討した。 【材料および方法】(1)ペースト未使用(2)MIペースト(3)CPP-ACP単体配合ペースト(4)Xylitol単体配合ペーストの4群で比較した。ウシエナメル質表層に人工的脱灰層を作製した後、それぞれのペーストで脱灰面を1日30分間処理し、再石灰化溶液に浸漬する操作を14日間繰り返した。なお、処理用ペーストおよび再石灰化溶液は、毎日新しいものに交換した。その後通法に従い包埋、薄切し、マイクロラジオグラムおよび偏光顕微鏡による観察を行った。 【結果および考察】CPP-ACP単体配合ペーストは他のペーストに比較して再石灰化促進効果が低いことが確認できた。CPP-ACPはリンやカルシウム濃度の増加と維持が期待でき、唾液の作用を増強するといわれている。またCPP-ACPは再石灰化時にフッ素が不可欠であるといわれているように、CPP-ACP自体が再石灰化を促進すると考えるよりも再石灰化を促進する環境を整える効果があると考えた。よって、再石灰化液という環境の整った状況ではその効果は発揮されにくいと推測した。MIペーストはCPP-ACPによる唾液の作用増強と、キシリトールによる再石灰化を内層から促進という効果が期待できる。以上のことから、CPP-ACPを有効に利用するには、フッ化物やキシリトールを同時に応用する必要があり、唾液による再石灰化機能が低下しているような状況で使用するのが効果的と考えられる。
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Research Products
(1 results)