2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
野田 晃司 鶴見大学, 歯学部, 助手 (10148059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10097321)
及川 崇 鶴見大学, 歯学部, 助手 (60386919)
瀬越 健介 鶴見大学, 歯学部, 助手 (90386920)
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Keywords | ラチェットブラケット / 矯正装置 / 断続的矯正力 / 痛み / 至適矯正力 |
Research Abstract |
「ラチェットブラケット」(ratchet bracket)は、ブラケット本体にラチェット機構を組み込み、それ自体に歯を移動させる機構を組み込んだ矯正装置である。本装置開発の基本コンセプトは、痛みなく歯を移動することが可能な矯正装置であり、その作用様式は、歯根膜組織に対し血液循環を阻害しない程度の圧迫を繰り返し加えることで、歯根膜の圧迫領域における再構築を効果的に促そうとするものである。過去のBeagle犬を用いた予備実験では、圧迫歯根膜には壊死組織などは認められず、正常な血管構造が確認された。他方、患者(倫理的な観点から、装置使用前に患者に対して装置の説明を行い、同意を得ている。)に対する使用では、レントゲン写真上でも異常な歯根吸収は認められず、患者自身が痛みを感じることなく歯の移動を実感できた、との結果が得られた。このことから、このような断続的な矯正力を用いた歯の移動法が生体にやさしく安全な手法であり、今後の新たな矯正治療を考える上で重要な手法になるものと我々は考えた。 平成17年度は、本装置の量産化を目指し、その金型と試作型の開発を行った。基本構造は、前試作型と同様に、一度のラチェット操作により0.26mmの歯の移動を生じるラチェット構造がブラケットに組み込まれている。特徴的な改良点は、等間隔に切られたラチェット棒(ラチェットロッド)を引っかけ停止させる構造(ラチェットスプリング)をラチェットロッドが収納される管溝(チューブ)の直下に組み込んだことである。この変更により、旧型のようにラチェットロッドの移動量の制限がなくなった。また、部品点数が少なくなり、構造が簡素・小型化されたことにより、その量産性や操作性が向上した。
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