2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎感受性に関与する抑制性IgGレセプターの免疫調節機能
Project/Area Number |
17592159
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉田 典子 新潟大学, 医歯学系, 助手 (30313547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 哲夫 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教授 (00215344)
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Keywords | 歯周病 / 免疫学 / 遺伝子多型 / 病理学 / 細胞生物学 |
Research Abstract |
ヒト抑制性IgGレセプターFcγRIIbは抗体産生の負の調節に必須である。私たちは以前の研究でFcγRIIB-I232T遺伝子型のFcyRIIB-232Tアレルが歯周炎と有意に関連していることを示した。そこで今回は、その機序を解明するため歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalis (P.gingivalis)に対するIgG抗体産生がFcγRIIB-I232T遺伝子型によって異なるかどうかを調べた。47名の歯周炎患者のゲノムDNAを用いてダイレクトシーケンシングにてFcγRIIB-I232T遺伝子型を決定した。また、血清中の総IgG濃度、P.gingivalis sonicateに対するIgG濃度、40-kDaリコンビナントP.gingivalis外膜蛋白(OMP)に対するIgGサブクラス濃度を調べた。その結果FcγRIIB-232Tアレル保有者は非保有者に比較してP.gingivalis 40-kDa OMPに対して有意に低いIgG2抗体濃度を示した(Pく0.05)。またFcγRIIB-232Tアレル保有者がP.gingivalis 40-kDa OMPに対して示した特異的IgGおよびIgG1レベルも非保有者に比較して低い傾向が認められた。この結果からFCYRIIB-232Tアレル保有者ではP.gingivalis外膜蛋白に対する抗体反応が低いことが歯周炎感受性に関与している可能性が示唆された。この研究成果は平成18年日本歯周病学会春季学術大会にて発表した。 12名の歯周炎患者末梢血中におけるFcγRIIb発現の量をフローサイトメトリーにて調べたところ、歯周炎患者末梢血中B細胞のFcγRIIb発現は、健常者18名に比較して有意に低かった(Pく0.05)。この研究成果は7月にスペイン国マドリードで開かれた第5回EUROPERIO学会にて発表した。
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