2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯槽骨骨膜由来細胞を応用した歯周組織再生療法の開発
Project/Area Number |
17592171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
出口 眞二 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (60121018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 彰 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (30162853)
田胡 和浩 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (00386830)
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Keywords | ヒト歯槽骨骨膜由来細胞 / 歯周組織再生療法 / 移植片 / 免疫組織化学染色 |
Research Abstract |
本実験はヒト歯槽骨骨膜由来細胞を用いて作製した移植片の歯周組織再生療法への可能性を検索することを目的とした。歯槽骨骨膜組織片は,本学附属病院成人歯科にて患者の承諾を得た後,歯周外科処置時に採取し、実験に使用した。本実験計画は既に本学倫理委員会の許可を得ている。歯槽骨骨膜組織を24穴組織培養プレート上に静置し,15mm round thermanox coverslipにて圧迫固定した。5%ウシ胎児血清(FCS)を添加したダルベッコ変法イーグル培地(D-MEM : Dulbecco's modified Eagle medium)を増殖培養液として37℃,5% CO_2,湿潤気相下にて培養を行い,遊出してきた細胞を初代培養細胞とした。 細胞は多層になるように1週間毎に4回,播種を繰り返してシート状にした。その後,細胞のシートを折りたたむことにより三次元構造を有する移植片を作製した。検索は移植片の細胞増殖,分化そして機能を観察するために組織学的および免疫組織化学的手法を用いた。作製した移植片は3日目で大きさが約10×5mmで厚みは約1.5mmあった。組織学的検索の結果,細胞と細胞外基質のみで構成され,ピンセットで容易に操作できる物性を有していた。免疫組織化学的検索の結果により,作製した移植片にオステオカルシン陽性細胞が存在していることが観察され,増殖活性を有する細胞が存在していた。 以上のことから,作製した移植片に石灰化する可能性があり,骨欠損に応用できると考えられる。また,細胞を採取した部位が歯槽骨骨膜のために,骨片から細胞を採取した場合と比較して,採取時の外科的侵襲が少ないと思われる。移植片は自己由来の細胞と細胞外基質で構成されていることから生体親和性に優れた移植材であり,歯周組織再生療法への応用の可能性を示唆するものと考えられる。
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