2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の口腔保健向上のための大豆ペプチド利用に関する研究
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17592182
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
日野出 大輔 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (70189801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 英二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00144973)
吉岡 昌美 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90243708)
田部 慎一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40284301)
横山 正明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10314882)
福井 誠 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50325289)
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Keywords | 大豆ペプチド / 生育阻害実験 / Candida albicans / Actinobacillus actinomycetemcomitans / Porphyromonas gingivalis / 唾液採取法 / 高齢者 / 分泌型IgA |
Research Abstract |
本年度は、日和見感染に関連する口腔微生物として、Candida albicans及びCandida glabrataを購入し、増殖曲線および顕微鏡下での仮性菌糸の有無の観察等から、今後の実験に用いる培養条件を確立した。すでに我々の研究室で種々の実験に用いているCampylobacter rectusなどの歯周病関連細菌を用い、企業より供与を受けた平均ペプチド鎖長3〜4の大豆ペプチド0.1%を培地に添加して生育阻害実験を行ったところ、Actinobacillus actinomycetemcomitansに阻害傾向が認められた。また、トリプシン様酵素を遺伝子組み換えにて欠失させたPorphyromonas gingivalis変異株を用いてその増殖を調べた結果、親株では大豆ペプチドの添加あるいは無添加培地で生育に有意な差は認められなかったが、病原性の弱い変異株では、大豆ペプチドの添加培地で生育の促進が認められた。現在、大豆蛋白質成分の1つであるβコングリシニンを用いてトリプシンおよびペプシンで消化したペプチドを作成中であり、Candidaおよび上記の細菌を用いた生育阻害実験を実施する予定である。 一方、上手に摂食できない高齢者から唾液を採取し、含まれる成分を質的に評価する方法について検討するため、ボランティアの健常人10名を対象として、吸引法、吐き出し法およびサリベットコットンを用いたSwab法により得られた唾液サンプル中の成分を比較した。その結果、吸引法は吐き出し法と比較して唾液中のタンパク質濃度、分泌型IgA濃度に差は認められなかったものの、Swab法で得られた値は有意に低い濃度であった。以上の結果から、吐き出し法による唾液採取が難しい高齢者において、吸引法は有用な唾液採取方法と考えられ、今後の研究に応用したいと考える。
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Research Products
(3 results)