2005 Fiscal Year Annual Research Report
A.actinomycetemcomitansの歯周組織成分への付着に関する研究
Project/Area Number |
17592190
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川戸 貴行 日本大学, 歯学部, 助手 (50386075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 正夫 日本大学, 歯学部, 教授 (60147618)
本橋 正史 日本大学, 歯学部, 講師 (90102615)
関 みつ子 日本大学, 歯学部, 助手 (20226640)
東海林 麻衣子 日本大学, 歯学部, 歯学部助手 (30386099)
山下 喜久 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (20192403)
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Keywords | Actinobacillus actinomycetemcomitans / 細胞外マトリックス / 付着 / コラーゲン / フィブロネクチン / ラミニン / 歯周組織 |
Research Abstract |
本研究は重度の歯周組織破壊を起こす若年性歯周炎の原因菌とされているActinobacillus actinomycetemcomitans (A. actinomycetemcomitans)と細胞外マトリックス成分(ECM)との付着親和性について分析することを目的として行われた。 1.実験概要 IDH781、ATCC29523、Y4、NCTC9710の4菌株について各菌のECM成分(タイプIコラーゲン、タイプIVコラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン)に対する付着親和性について定量実験を行った。付着実験は以下の2つの条件で行った。 1)THB液体培地で各菌を培養後、集菌し一定菌量となるようにPBSにて懸濁、調整した。このPBS菌懸濁液を各種ECMコーティングwell内に加えて4℃、24時間付着反応を行った(PBS懸濁群)。 2)各種ECMコーティングwell内にTHB培地を加えた後、菌を培地内に接種、37℃、24時間、5%CO_2存在下での菌の培養をもって付着反応とした群(THB培養群)。 それぞれの条件下でwellの底面に付着した菌にクリスタルバイオレット染色液による染色、水洗を施したのち、95%エタノールを加え溶出した色素を吸光度計で測定し、付着菌の定量を行った。 2.結果および考察 1)PBS懸濁群では、well底面への付着菌量はIDH781、ATCC29523で多く、Y4、NCTC9710は少量であった。各菌ともECMコート条件の違いによる付着量に差は認められなかった。 2)THB培養群では、菌株間での付着菌量の差はPBS懸濁群と同様の傾向であった。また、well底面のECMコート別でみると、タイプIVコラーゲン、フィブロネクチンがタイプIコラーゲン、ラミニンに比べ付着量が多く、特にIDH781とATCC29523ではこの傾向が顕著であった。 以上の結果から、IDH781とATCC29523において、菌体とコラーゲンIVおよび、フィブロネクチンとの付着親和性が高かいことが確認された。さらにこの付着親和性は、菌の培養増殖に伴っての付着で顕著なことから、同菌が増殖時に何らかの付着因子を発現している可能性が考えられた。次年度では、菌体、および培養上清を分析し付着因子の特定を予定している。
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