2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯科医療費に関わる要因についての横断的および縦断的研究
Project/Area Number |
17592193
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
井手 玲子 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (70352325)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寶珠山 務 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教授 (20258627)
高橋 謙 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (90226829)
|
Keywords | 歯科保健 / 医療費 / 横断研究 / 縦断研究 / 保健行動 |
Research Abstract |
任意で実施されている歯科健診の参加群と不参加群について年間平均歯科医療費を検討した。歯科健診の参加率は男性が高く、年齢が高くなるに従って減少し、50歳以上の年齢群で約50%であった。50歳以上の年齢群では男女とも参加群が不参加群より1.5-2倍程度高い歯科医療費を示していた。50歳以上になると歯周疾患による口腔内の困りごとが顕著になり、歯科治療へのニーズが高まることによるものと考えられる。高い年齢群ほど参加率が低いことから、不参加群に潜在する歯科治療のニーズを加味すると、50歳以上の歯科医療費のインパクトはさらに大きいものと推察される。 歯科医療費について解析した結果が男女で異なる傾向を示したことから、精神健康状態と口腔内状況との関連を男女別に検討することを目的に、20-59歳の某自治体職員について断面研究を実施した。精神健康状態の指標としては、日本語版General Health Questionnaire(GHQ-12)を用いた。GHQスコアが高いほど精神健康状態が不良であることを示す。口腔状況については、自記式調査による口腔の主観的健康感、自覚症状、および臨床的な指標(ウ蝕歯、歯周病、喪失歯)が測定された。各口腔状況指標のレベルに応じた平均GHQスコアを、年齢、性別、喫煙、職種を調整して、分散分析を用いて男女別に算出した。精神健康状態は、臨床的な指標(ウ蝕および喪失歯の有無、歯周病の程度)とは関連していなかった。口腔の主観的健康感が悪いと答えた人は、良いと答えた人より高いGHQスコアを示し、女性においてのみ統計学的に有意であった。自覚症状"見かけが気になる"に関する調整済みGHQスコアの平均は男女とも有意な差が認められた。以上の結果から、精神健康状態と口腔内状況との関連は男女でほぼ同じ傾向を示しており、歯科受診行動における性差については、さらなる検討が必要と考えられる。
|
Research Products
(1 results)