2006 Fiscal Year Annual Research Report
ウエブを利用した看護職のストレス対策教材の開発とその効果評価
Project/Area Number |
17592205
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小林 敏生 広島大学, 大学院保健学研究科, 教授 (20251069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 まなほ 広島大学, 大学院保健学研究科, 講師 (10379894)
島津 明人 広島大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (80318724)
影山 隆之 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (90204346)
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Keywords | 看護職 / ウェブ学習 / ストレス / 教材開発 / アサーション / 職業アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究の目的は、看護職を対象にした、ストレス対処法やコミュニケーションスキルとしてのアサーション方法を開発し、それをウェブ上で学習してもらうことで、ストレスの軽減ひいては精神的健康度の改善効果をめざすものである。本年度実施した研究内容は、まず昨年度に作成したウェブ学習プログラムに基づき、企業に依頼して、職業アイデンティティ(JI)およびアサーションについてウェブ学習システムを構築した。次に、特にJIについて作成したプログラムの効果を無作為化比較試験(RCT)にて評価した。一般病院2施設の病棟に勤務する看護師の協力を得て、プログラム介入群と対照群を無作為に各30名割り付けた。介入群のウェブ学習期間は3週間とし、介入群の学習終了後、対照群は同様の学習を実施した。効果評価は介入群では学習の前後および学習1ヵ月後、対照群は学習前の2回および学習直後のそれぞれ計3回の調査を行い、内容についてはJI、職業性ストレス、精神的健康度とした。 学習1-2回目の経時的変化では、JIについては、介入群は「知識」と「組織影響感」が向上したのに対して、対照群は「有意味感」と「患者影響感」が悪化した。ストレスについては、介入群では「対人関係困難」が改善したが、対照群は「量負荷」、「質負荷」、「裁量度」、「同僚上司の支援」、「精神的健康度」が悪化した(P<0.1)。共分散分析の結果、JIの「知識」、「有意味感」、「組織影響感」において介入群の向上が大きかった。学習前のJI得点の高低で2群に分けた検討では、ストレスと精神的健康度で介入群の向上が大きかった(p<0.1)。以上の結果から、看護職のストレス軽減に着目したウェブ学習による看護師のJIの向上とストレス軽減への効果を確認できた。現在、さらにアサーションプログラムについての効果評価を実施中である。
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Research Products
(2 results)