2006 Fiscal Year Annual Research Report
医療施設外の高齢者ターミナルケアに携わる看護職者のアドボカシー実践に関する研究
Project/Area Number |
17592209
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩本 テルヨ 熊本大学, 医学部, 教授 (80285444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 敏子 熊本大学, 医学部, 教授 (30242746)
南家 貴美代 熊本大学, 医学部, 助手 (80264315)
有松 操 熊本大学, 医学部, 助手 (50289659)
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Keywords | 高齢者 / ターミナルケア / 看護者 / アドボカシー / 看護倫理 / 看護学 |
Research Abstract |
在宅高齢者ターミナルケアにおける訪問看護師のアドボカシーの認識及び実践の実態を明らかにするために、全国訪問看護ステーション名簿から無作為に抽出した800施設の訪問看護師を対象に郵送調査(無記名)を行った。368名から回答があった。対象の約半数はケアマネージャーであり,平均年齢41.8±7.5歳,訪問看護経験は5.7±3.7年であった。在宅高齢者ターミナルケア23中22項目に対して約8割がその活動はアドボカシーであると回答した。その認識の高比率項目は「患者・家族の思いを医師に伝える」(96%)「意思決定を尊重し,それに沿うケアとなるよう支援」(92%)「患者の思いを家族に伝える」(91%)であった。「疼痛緩和のため療養の場の変更の必要性ありと判断し,訪問看護師自身で早急に対処」の1項目のみ8割未満(56%)であった。高い実践率を示したのは「患者・家族の思いを医師に伝える」(93%)「在宅に必要な情報提供」(89%)「今後起こりうる病態変化を家族に伝える」(84%)であった。23中4項目においてアドボカシー認識に,8項目において実施率に経験年数(5年未満/以上)で有意差があった(p<.001〜.05)。看護アドボカシー実践に対しては「困難を感じる」(59%)「非常に感じる」(12%)状況で,その困難要因は「自分自身の能力」(19%)「医師」(18%)「家族(介護者)」(15%)であり,ともに経験年数で有意差はなかった。在宅看護実践におけるアドボカシーの必要性は「かなり必要」(58%)「どちらかというと必要」(35%)と答え,経験年数で有意差はなかった。 在宅高齢者ターミナルケアにおけるアドボカシーの認識・実践ともに最も高率の活動は「患者・家族の思いを医師に伝える」であったが,経験年数によってその認識・実践に差があった。アドボカシー実践上の困難を7割の看護師が感じており,その要因に「看護者自身の能力」が最も多く上がり、アドボカシー実践においても専門的能力向上の必要性が示唆された。
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