2007 Fiscal Year Annual Research Report
点滴漏れ時の罨法の確かな効果とエビデンスに関する実践・実証的研究
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17592212
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| Research Institution | Iwate Prefectural University |
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Principal Investigator |
武田 利明 Iwate Prefectural University, 看護学部, 教授 (40305248)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 昭彦 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (30305255)
井上 都之 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (00281254)
石田 陽子 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (60322335)
小山 奈都子 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (40347191)
小島 義和 東海大学, 健康科学部, 准教授 (60215259)
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| Keywords | 抗がん剤 / 血管外漏出 / 看護学 / 薬理学 / 病理学 / 実験動物 / マイトマイシン / エキザール |
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| Research Abstract |
【目的】臨床において抗がん剤が血管外に漏出した時は、重篤な皮膚傷害が認められることが知られているので、今回は抗がん剤漏出時の皮膚傷害と罨法の作用について検討した。
【方法】使用した抗がん剤は、起壊死性抗がん剤であるマイトマイシン(協和発酵)とエクザール(日本化薬)、刺激性抗がん剤であるランダ(日本化薬)、非壊死性抗がん剤であるロイナーゼ脇和発酵)の4種とした。これらの薬剤を除毛したラットの背部皮膚に投与し、各薬剤の組織傷害の程度について肉眼的および組織学的に検討した。さらに、マイトマイシンについては、皮膚傷害に対する罨法の作用についても検討した。
【結果・考察】肉眼的観察において、皮膚潰瘍が認められたのはエクザールのみであり、マイトマイシンでは観察されなかった。起壊死性抗がん剤に分類されている薬剤でも、潰瘍の形成に至らない場合があることを示唆する知見が得られた。しかし、マイトマイシンでは、潰瘍は認められないものの皮下では重篤な組織傷害が認められた。これらのことから、起壊死性抗がん剤が血管外に漏れた場合は、皮膚傷害が顕在化する場合と、組織傷害が表面からは認められない潜在化する薬剤があると考えられた。刺激性抗がん剤であるランダについては、肉眼的には重篤な病変は認められず、皮下組織に軽度な病変が観察された。非壊死性抗がん剤であるロイナーゼについては、顕著な病変は観察されなかった。以上のことから、起壊死性抗がん剤に分類されている薬剤が血管外に漏れた場合は、速やかに適切な治療を施す必要があると考えられた。特に、マイトマイシンにように、外見的に明らかな病変が認められない場合でも、真皮下層では重篤な病変が認められていることに留意し適切な処置を施す必要があると考えられた。次に、マイトマイシンが漏れた場合の処置として、罨法の作用について検討した結果、有効性を示す知見は得られなかった。
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