2005 Fiscal Year Annual Research Report
科学的根拠に基づく安全な筋肉内注射技術に関する研究
Project/Area Number |
17592213
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
菊池 和子 岩手県立大学, 看護学部, 助教授 (10305253)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 有里 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (80305268)
石田 陽子 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (60322335)
小山 奈都子 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (40347191)
渡辺 皓 山形大学, 医学部, 教授 (80004662)
|
Keywords | 筋肉内注射技術 / 科学的根拠に基づく看護技術 / 皮下組織厚 |
Research Abstract |
科学的根拠に基づく安全な筋肉内注射技術の検討のために以下の研究を実施した。 1.これまでの筋肉内注射部位の皮下組織厚の調査結果でエコーによる皮下組織厚の平均値と皮下脂肪計による肩峰3横指下部の値との間に強い相関関係があったため回帰式を求め、皮下組織厚のアセスメント式を算出した。その式を利用した簡便なアセスメント機器として、知覚計(ノギス)を改良し、三角筋部注射部位の皮下を摘んだ値から皮下組織厚が示される試行品の開発を試みた。この機器がどのように臨床で活用できるのかを検討するため、臨床現場で筋肉内注射5場面の参加観察を行った。 前年度までの調査で対象数の少なかった女性を主な対象として、56名の筋肉内注射部位の皮下組織厚測定を行い、その際に開発した試行品を使用しその妥当性の検証を試みた。 現在調査結果を分析中である。 2.これまでの研究の成果報告会を研究者の勤務する大学及び病院2箇所で看護師を対象として行い、意見を得た。身長の違う対象に対して三角筋部の注射の場合、同様に肩峰3横指下部でよいのか、という疑問に対して、山形大学医学部内藤輝教授(解剖学担当)の協力を得て解剖実習用遺体を用いて、身長約180cm1体、140cm1体の比較を行い、肩峰3横指下部は、神経や血管の走行位置からずれていることを確認した。また、筋肉内注射部位の皮下組織厚、筋肉厚、神経、血管の走行の観察を行った。 3.筋肉内注射のみが用法となっている油性注射剤プロゲデポー(持田)が皮下に投与された場合の組織傷害性について実験動物(ウサギ)を用いて検討した。その結果、上記薬剤を筋肉内に注射した場合と比べ,炎症性細胞の強い集積や浮腫など重篤な組織傷害像を確認し、さらに薬剤が長時間皮下に留まることを確認した。これらのことから、安全かつ期待される薬効を確実に得るためには、油性注射剤は確実に筋肉内に注射することの重要性が示唆された。
|
Research Products
(6 results)