2006 Fiscal Year Annual Research Report
科学的根拠に基づく安全な筋肉内注射技術に関する研究
Project/Area Number |
17592213
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
菊池 和子 岩手県立大学, 看護学部, 助教授 (10305253)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 有里 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (80305268)
石田 陽子 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (60322335)
小山 奈都子 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (40347191)
渡辺 皓 山形大学, 医学部, 教授 (80004662)
|
Keywords | 筋肉内注射技術 / 科学的根拠に基づく看護技術 / 皮下組織厚 |
Research Abstract |
1.これまで行ってきた超音波診断装置で測定した筋肉内注射部位の皮下組織厚の結果から注射部位の皮下組織厚のアセスメント式を導き出し、臨床で使えるものとして知覚計を利用し、アセスメント式に基づく値を示した機器を考案した。アセスメント機器が実際に対象者の皮下組織厚を示しているかを検証するため、調査の同意を得た37名を対象としてアセスメント機器で測った値と、超音波診断装置で測った値を比べてみた。その結果、ほぼ一致する傾向がみられたが対象者の体格による誤差や、アセスメント機器の摘む圧によって誤差が大きくなることが予想された。 機器の使用可能性を探るために行った病棟や外来に勤務する調査の同意を得た看護師16名の面接調査から、「新人ナースに説明する時に使えば良い」「太っている人や痩せている人にはどの程度刺せばいいか、使ってみたい」「あなたは何センチです、と根拠があるのはいい」と必要性について賛同が得られたが、「ノギスだと動く」「圧迫する強さで長さが変わる」等の機器使用上の課題が出された。 以上のことから、摘む圧を一定にできるアデイポメーターの使用によるアセスメント法を考えている。 考案した機器を使用し、三角筋部筋肉内注射部位の皮下組織厚を測定し、同時に超音波診断装置で同部位の皮下組織厚を測定したところ筋肉内注射の経験の多い看護師はその値が一致した。看護師のアンケート調査から「注射の手技で困っている」が挙げられ、筋肉内注射の実施頻度が減っているため、実践知が看護師間で共有されていないと考えられた。今後、筋肉内注射技術の実践知を明らかにし、本研究成果と結びつけ活用できるようにしていくことが課題である。 2.共同研究者の山形大学医学部渡辺皓教授とその指導の元に解剖実習用遺体で筋肉内注射部位の皮下組織厚、筋肉厚、神経、血管の走行の観察を行った佐伯街子前山形大学大学院生から注射部位の安全性についての知見を得た。
|
Research Products
(2 results)