2005 Fiscal Year Annual Research Report
アクションリサーチを用いた倫理的看護実践支援システムの構築
Project/Area Number |
17592220
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
和泉 成子 福岡県立大学, 看護学部, 助教授 (20275316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 友美 福岡県立大学, 看護学部, 助手 (10364176)
山本 武志 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (00364167)
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Keywords | 看護倫理 / 倫理的実践 / アクションリサーチ / 尺度開発 / ナラティブ |
Research Abstract |
本研究の目的は、1)実際の臨床で実現されている「よい看護」つまり倫理的な看護実践とはなにかを明らかにし、2)その実現を支援するためのシステムを構築することである。倫理的看護実践を明らかにするために、その要素と考えられている倫理的感受性と倫理的判断動機を捉える質問紙の作成と試用、看護師への個人インタビューからの倫理的実践の記述の収集を行った。また、それらから抽出された倫理的看護実践の実現を支援する上で必要と考えられる要素を組み込んだ支援システムとして、臨床看護師を対象として体験の振り返り・共有・学習の場となる倫理的看護実践研究会を企画し運営した。 対象施設に勤務する看護師を対象に、倫理的感受性尺度(MSQ)と倫理的行動に関する質問紙(EBT)による質問紙調査を行った。その結果と、その後行った個人インタビューデータとを合わせて、両質問紙の信頼性・妥当性の検討を行った。その結果、MSQに関しては、原著版と類似の結果を得ることができたが、その一方で、インタビュー結果からMSQの項目内に含まれていない要因が抽出されたことから、国内の先行研究文献および看護師からの広域な聞き取り調査により、日本の看護師の倫理的感受性の構成要因を広く探索する必要性が示唆された。日本語版EBTの国内での利用については、信頼性と妥当性を得ることができた。 臨床の看護師が倫理的看護実践能力を習得することを支援するシステムとして、実践の振り返り、体験の共有、互いの体験からの学習ができるグループワークの場の有用性が示唆されたので、そのようなグループワークの場を設置することを企画し、「倫理的看護実践研究会」と名称して半年にわたり実施した。この研究会での活動成果は、1年から1年半後に評価することを計画しており、その評価方法、結果の分析方法に関しては今後の課題とする。
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Research Products
(2 results)