2008 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害患児の同胞と母親の看護支援に関する研究
Project/Area Number |
17592233
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩飽 仁 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (50250808)
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Keywords | 軽度発達障害 / 子ども / 養育 / 抑うつ / 母親 / 父親 / 同胞 |
Research Abstract |
1. 軽度発達障害をもつこどもの父親の気分の状態と養育態度に関する調査 方法 : 外来通院している就学前の3から6歳の軽度発達障害をもつこどもの父親と母親, 保育園, 幼稚園に通う3から6歳のこどもの父親と母親を対象とした質問紙調査を行って統計的に検討した。 結果 : 気分の状態については患児群の父親において「元気さ, 躍動感ないし活力」の低下がみられた。ただしその気分の状態の理由として, こどもに関する記述は少なく, 仕事や自分の体調に関する記述であった。養育態度については患児群の父親に特徴的な結果は見られなかったが, 父親全体と母親全体を比較したところ「非難」について差が見られた。患児群と対照群の母親の比較では「心配」の態度を対照群の母親が持っていた。患児群の母親の「不満」の態度に問題性がある場合が多いことがわかった。 2. 軽度発達障害をもつ子どもの同胞の心理社会的問題と母親の養育態度の関連 方法 : 医療機関および小学校で, 兄または姉が軽度発達障害をもつ小学生の母親と兄または姉がいる小学生の母親に対し, TK式診断的新親子関係検査(親用)に基づいた質問紙, Pediatric Symptom Checklist日本語版に基づいた質問紙, 家族構成などを問う質問紙の3種類に回答してもらい, その結果を統計的に検討した。以下, 医療機関での対象者をケース群, 小学校での対象者をコントロール群とした。 結果 : ケース群とコントロール群の比較では, 母親の養育態度「不一致」の項目でコントロール群において望ましくない結果となった。また子どもの心理社会的問題「年相応のふるまいである」の項目でケース群において望ましくない結果となった。その他の項目ではケース群とコントロール群で有意差はみられなかった。コントロール群内の比較では, 子どもの心理社会的問題の項目で望ましくない結果の場合, 望ましい結果に比べて母親の養育態度「不満」「非難」「厳格」「干渉」「心配」「不一致」の項目が高い結果となった。
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