2006 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病患児の発見から治療・管理の継続に向けた支援の具体化
Project/Area Number |
17592253
|
Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
兼松 百合子 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (20091671)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 洋子 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40316211)
白畑 範子 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (60295384)
平賀 ゆかり 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (80336437)
中村 伸枝 千葉大学, 看護学部, 教授 (20282460)
|
Keywords | 糖尿病児童生徒 / 学校生活ケアプラン / チームアプローチ / 養護教諭 / 学校関係者 / 支援マニュアル / 2型糖尿病 / 治療中断防止 |
Research Abstract |
平成15・16年度に科学研究費補助金を得て作成した「糖尿病児童生徒の治療と生活管理のためのマニュアル」(以下マニュアル)に示した支援の方法を具体化するために、次のように研究を行った。 (1)マニュアルの使用方法と有用性を明らかにするために、岩手県内の学校検尿尿糖陽性者、1型・2型糖尿病児童生徒が在学する学校の養護教諭や担任のうち、研究の趣旨に賛同するもの10人を募り、マニュアルに書かれた項目・方法を用いて、対象児と家族への支援を行い、マニュアルに示した「糖尿病児童生徒の学校生活ケアプラン」を用いて、支援の過程を記録してもらった。1年間の継続期間中に記録を持ち寄り勉強会を行い、また、必要に応じ、電話や電子メールによる相談に対応したことから、糖尿病をもつ子どもと家族の気持ちに沿った効果的な支援を行うことができ、養護教諭からの質問や相談に対応する窓口の必要性が明らかになった。 (2)前項の対象者の学校での糖尿病児童生徒へのチームアプローチについて調査し、初発時に主治医、本人、親、養護教諭、担任が一緒に話し合う機会をもつこと、入学時に学校が準備した健康手帳を用いて把握し、主治医からの連絡表により、健康厚生課等の組織により対応することの有用性が明らかになった。 (3)学校検尿における尿糖陽性者の指導や、2型糖尿病の児童生徒の治療中断防止について、学校関係者の認識は低い。そこで認識を高めることと、要観察者として管理を徹底することにより、2型糖尿病の発症予防と治療の継続を確実にすることができると考えられた。 (4)糖尿病児童生徒の支援に力を注いでいる高知県の養護教諭を勉強会に招き、養護教諭を中心とする積極的な対策や支援の具体的な方法について、示唆が得られた。 (5)マニュアルについてのコメントと、上記の研究により得られた知見を含めて、内容を改訂し「学校関係者のための糖尿病児童生徒支援マニュアル〜よりよい学校生活のために〜」を、青山社より出版した。
|