2008 Fiscal Year Annual Research Report
胎児異常の告知から育児期までの母親の心理的反応と対処行動に関する研究
Project/Area Number |
17592259
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
堀田 法子 Nagoya City University, 看護学部, 准教授 (90249342)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種村 光代 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (80301422)
江口 昇勇 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (20176762)
二宮 昭 愛知淑徳大学, コミュニケーション学部, 教授 (60132924)
|
Keywords | 看護学 / 医療・福祉 / 胎児異常 / カウンセリング / 母親 / サポート / 悲嘆 / 不安 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であり,前年度までの研究の更なる発展を目指した最終段階の継続研究として、胎児異常を告知されてから出産後まで継続的にカウンセリングを行い、カウンセリングプロセスから,現実認識できたケースとできなかったケースの告知から出産まで,出産直後,出産後の3期の心理的特徴が明らかになった。告知後から出産までは,胎児の病名やその不明確さが将来の治療の有無が現実認識に影響していた。現実認識できないケースは,確定診断が困難なため曖昧な表現をされたことや,受け入れがたい内容であることは,現実を否認させ,それが医療者に対する不満や批判となった。さらに,医療従事者との人間関係が築けず「独りぼっちで悲しい」と孤立感が見られた。一方,現実認識できたケースは,医師に対し強い信頼があった。両者に共通して,悪夢を見るなど不安定な状態であった。出産直後は,両者に共通して,児の話題を避け,分娩や陣痛の話題が多かった。情緒レベルの対応はできないと判断し現実レベルの対応が必要であった。この時期は,現実認識できないケースは被害妄想的になり小精神病状態まで追い込まれた。出産後は,現実認識できないケースは,児は正常であると自分に言い聞かせ障害を否定しようとし,受け入れがたい告知をした病院から早く退院したいと望んでいた。これらカウンセリングプロセスについてトランスクリプトを作成し,プロトコル分析を行い、カウンセラーとクライエント(母親)の発話の特徴からカウンセラーの果たした役割を明らかにした。以上から,看護の指針,看護師が行うカウンセリングの効果,カウンセラーの望ましい対応が示唆された。
|