2005 Fiscal Year Annual Research Report
手術後の褥瘡発生予測・予防を目的とした看護エキスパートシステムの開発
Project/Area Number |
17592262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小西 美和子 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (60295756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 豊 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20218473)
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Keywords | 臨床看護学 / 手術看護 / 褥瘡予防 / 褥瘡発生予測 / 看護エキスパートシステム |
Research Abstract |
17年度は、周手術期患者の褥瘡発生に影響を及ぼす要因の検討を調査研究をもとに行った。とくに今回の研究の目的は全身麻酔で手術を受ける患者の術後疼痛が体動にどのように影響を及ぼしているのかを明らかにすることである。<調査方法>4名の全身麻酔を受ける患者。データは術前2日から術後2日間の期間に超音波振動センサを用いた患者の体動状況の把握と同時にレーザー血流計による仙骨の皮膚血流量の測定、フェイススケール(5段階)とvisual analogue scale(以下VASと略す)を用いた術後疼痛の把握(体動時、安静時)、皮膚の発赤の有無を術前と術後で比較した。データ分析は超音波振動センサが送受信した値から時間毎のSD値(時間毎P-P値データの標準偏差)、安静時間を算出し運動量を把握した。倫理的配慮を十分に行った。<結果および考察>1.対象の属性:4名の内訳は開腹術2名、腹腔鏡下手術2名。平均年齢は73.25歳、平均手術時間100分であった。2.褥瘡発生の有無:術後に新たに褥瘡が出現、悪化した例は0件であった。3.術後疼痛と体動状況(9〜21時):術後疼痛の程度は個人差が大きく、開腹術と腹腔鏡下手術の比較では痛みの程度に大きな差は認められなかった。さらに体動状況と合わせてみると安静時間は4名全員が術前と比較して増加の傾向にあった。なかでも典型事例では疼痛の程度が減少していてもSD値は術前から術後で減少がみられた。安静時間は術前平均21分〜術後48.9分と増加し運動量が減少していた。4.皮膚血流量:4事例とも術前・術後で顕著な変化はみられなかった。以上の結果から術後疼痛と合わせた運動量の把握は、手術後の褥瘡発生に影響を及ぼす一要因として重要であることが明らかとなった。
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