2006 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠初期と産褥期における骨盤底筋力の変化と尿失禁との関連
Project/Area Number |
17592266
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
滝川 節子 県立広島大学, 保健福祉学部, 助手 (00382383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
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Keywords | 尿失禁 / 初産婦 / 経産婦 / 骨盤底筋力 / 産褥期 / 妊娠期 / 排尿障害 |
Research Abstract |
1.研究の目的 産褥期における骨盤底筋力の変化と尿失禁との関係性を明らかにするためのものである。妊娠中・退院時・1ヶ月・3ヶ月時を経過時的に調査を行った。骨盤底筋力を測定するため、内診法で内診得点と膣圧測定器で測定した。尿失禁状況については、カルテより周産期学的調査・質問紙調査票にて尿失禁状況を調査した。尚、内診得点は医師によりおこなった。 2.研究対象者帝王切開群5名(初産婦で妊娠経過は正常の者)、初産婦群10名、経産婦群20名(合計35名)。調査時期:質問紙調査票妊娠初期〜退院時・1ヶ月時・3ヶ月時に配布及び郵送。骨盤底筋力測定妊娠10ヶ月、退院時、1ヶ月、3ヶ月に行った。 3.結果と考察 骨盤底筋力は帝王切開群・初産婦群・経産婦群とも退院時より有意に1ヶ月・3ヶ月は筋力は増していた。ほぼ3ヶ月時は妊娠10ヶ月時の筋力に回復していた。骨盤底筋力は帝王切開群・初産婦群・経産婦群の順によかった。尿失禁状況は、帝王切開群・初産婦群・経産婦群とも妊娠中に約5割、尿失禁があった。産褥3ヶ月時では経産婦群に尿失禁を自覚したものがいた。また、初産婦群はいなかったが、帝王切開群で尿失禁を自覚した者がいた。産褥期の尿失禁はほぼ腹圧性尿失禁だった。骨盤底筋力を帝王切開群と初産婦群を比較した。妊娠10ヶ月・退院時・1ヶ月・3ヶ月ともに有意差はみられなかったが、ほぼ同じ筋力値を示していた。このことから帝王切開群と初産婦群では、経膣分娩の影響を初産婦群はあまり受けないのではないかと考えられた。尿失禁症状は妊娠中に最も出現するが、産褥期3ヶ月という時間を経ても自覚している褥婦が多い。また、相談相手として、初産婦は医療従事者や実母に相談していた。経産婦は妊娠中は夫や友人に相談しており、医療従事者はなかった。相談の結果、問題が解決されたと答えたのは妊娠中の初産婦だった。経産婦や産褥期尿失禁があった初産婦は、相談の結果も問題解決していない・どちらでもないだった。
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