2005 Fiscal Year Annual Research Report
心臓手術後の水分制限に対する学童のストラテジーの構造とケアモデルの開発
Project/Area Number |
17592268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
松尾 ひとみ 福岡県立大学, 看護学部, 助教授 (20305668)
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Keywords | 小児看護 / 水分制限 / 学童期 / ストラテジー / ケアモデル |
Research Abstract |
心臓外科手術後に行われる水分制限に対する学童のストラテジーの構造を明らかにし、苦痛を伴う治療下において、苦痛を緩和しつつ子どもを尊重するケアモデルを開発する目的で本研究を開始し、本研究について福岡県立大学研究倫理委員会の審査をうけ、認められた。その後、データ収集施設の管理者と主治医の許可を得て、対象を選定し、研究の主旨について記載した文章で内容を説明し、研究に協力する意思を示し、同意書にサインをした心臓外科手術をうけた学童期から思春期の子どもに対し、データ収集を行っている。 データ収集は入院期間を通しての参加観察を行い、水分制限緩和期と退院前にインタビューを実施している。 グランデッドセオリーを用いているため、現在オープンコーディングの段階にある。よって、まだカテゴリーを抽出できる段階にないが、下記の理論的仮説が見え始めている。 ・子どもは、水分制限の苦痛を術後の心不全症状が緩和し始めた時に感じ始める傾向がある。病状で身体が水分を欲するかどうかで、口渇も異なるのでは? ・飲水方法において、飲水の時間と量の配分は、親のやり方でやる子どもが多い。しかし、自分で調節する子どもも中にはいる。年齢的な要素があるが、子どもの思考にどのようにして差が生じているのか? ・口渇の苦しさを防止するために、子ども独自の工夫で飲水方法を工夫しているようだ。どのような時に口渇を感じるかを色々考え、喉を潤す効果的なやり方を工夫している。しかし、飲水量を守るという配慮と口渇を防ぐ方法の整合性がないようだ。 ・水分制限の根拠はあまり理解できないでいるようだ。説明をされたという認識はあるが、内容を理解しないで、言われたことをやっているという様子で、子どもはそれに違和感を感じていない。 今後、この仮説に関して、更にデータ収集を行っていく予定である。
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