2007 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病患者が肯定的自己概念を維持するための援助プログラムの構築
Project/Area Number |
17592270
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
佐々木 栄子 Health Sciences University of Hokkaido, 看護福祉学部, 講師 (50364261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野川 道子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (00265092)
大西 奈穂 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (00405672)
涌井 知子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (90405671)
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Keywords | パーキンソン病 / 神経難病 / 自己概念 / 援助プログラム / QOL |
Research Abstract |
平成18年度に実施したパーキンソン患者の支援プログラムに参加した群(介入群)と参加していない群(比較群)の調査結果を分析した.1.対象:1)介入群26(男10),年齢53〜76(64.8±5.4),病歴1〜15(5.9±SD4.0),H/YI・II 9,III以上16.2)比較群26(男10),年齢50〜72(65.1±5.2),病歴1〜16(6.7±4.9),H/YI・II 17,III以上9. 2.使用尺度:難病患者に共通の主観的QOL,自尊感情,PDQ39,MUIS-C 3.調査時期:介入群プレテストは参加前,ポストテストは参加後,比較群はプレテストとポストテスト(1回目の調査から約1ケ月後)4.結果:1)介入群と比較群の基本属性で2群間に有意差があったのはH/Y(X^2値=4.404,p=.036)のみであった.2)2群間のポストテスト各スケール項目でX^2検定をおこなった.有意な相違があったの基自尊感情が5項目,PDQ39が3項目,MUIS-Cが5項目であった.自尊感情で介入群が比較群に比べ「あてはまる」「ややあてはまる」が有意に多い項目は,「自分に対して肯定的である」(X^2値=6.559,p=.010)「もっと自分を尊敬できるようになりたい」(X^2値=13.487,p=.000)であった.有意に少ない項目は「敗北者だと思うことが良くある」(X^2値=12.343,p=.000)「自分は全くだめな人間だと思うことがある」(X^2値=7.488,p=.006)「何かに付けて自分は役に立たない人間だと思う」(X^2値=17.241,p=.000)であった.3)プレテストとポストテストの変化の有意差をMcNemar検定で検定した.有意差があったのは介入群自尊感情1項目「自分に対して肯定的になった」(p=.001)であった.この項目で、プレテスト「あてはまる」「ややあてはまる」と答え,ポストテスト「どちらともいえない」「ややあてはまらない」「あてはまらない」と答えた人は0人であった.またプレテスト「どちらともいえない」「ややあてはまらない」「あてはまらない」と答え,ポストテスト「あてはまる」「ややあてはまる」と答えた入は11人であった.つまり,プログラム参加後に自分に対して肯定的になった人が増えた.4)4尺度を従属変数に,年齢,病歴,H/Y重症度,日常生活状態などを独立変数にとり重回帰分析を行ったが,いずれも有意差はなかった.5.まとめ:プログラム参加が自分に対して肯定的な自己概念の維持および肯定的自己概念への変化につながった.パーキンソン病患者にとって本研究で作成した援助プログラムは肯定的自己概念の維持に効果的であった.
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