2007 Fiscal Year Annual Research Report
多胎児を出生した母親家族への育児支援-生後6ケ月間の母乳育児支援とサポート体制作り-
Project/Area Number |
17592280
|
Research Institution | The Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
平澤 美恵子 The Japanese Red Cross College of Nursing, 看護学部, 教授 (40211510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 佳美 杏林大学, 保健学部・看護学科, 准教授 (60286424)
新田 真弓 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (00318875)
|
Keywords | 多胎児出生母親の特徴 / 多胎児の特徴 / 多胎児の母乳育児支援 / 専門家による継続支援 |
Research Abstract |
1.平成19年度は多胎児出生母子の家庭訪問を25組行なった。対象児は51名、双胎24組、品胎1組であった。児出生体重平均1583g、平均在胎週数は32.6週であった。入院期間の平均は43.8日、退院時平均体重は2472gであった。退院時の栄養は母乳栄養のみ17名、混合栄養34名であった。退院後の母親の健康状態は、疲労と睡眠不足、乳房トラブルの主訴が多かった。児は早期産や低出生体重児で出生することが多いことから、呼吸や口腔機能の未熟性が強く母乳育児困難の要因になっていた。しかし、児の健康状態が良好で、入院時に乳房ケアや授乳練習を十分に行えた母親は、熱意と努力のもとに母乳育児を継続していた。 2.25組の訪問による育児支援の1年後に、母乳育児の実態と家庭訪問支援の評価、その後の子育ての実態に関するアンケートを母親に行った。17名から回答を得て、1年間何らかの形で母乳育児を継続したのは15名、1年間母乳哺育のみの母親が3名いた。この実績の要因は母親の意欲と努力、母親の日常生活を支える家族の協力、必要時専門家に相談すること等が挙げられた。家庭訪問は2名の助産師で行った。回答者全員から母乳の飲ませ方の助言、同時授乳法、乳房ケア、双子・三つ子の育児相談、母乳育児の具体的な相談、話をゆっくり聞いてもらえる等、母親が現時点で抱える困難性に的確に対応したことが、非常に役立ったと評価し家庭訪問を意義付けていた。 3.育児支援のサポート体制作りの前段階で、施設退院後の多胎児の育児支援は、生活の場において育児の実際に寄り添い多胎児の健康状態・母親の健康状態のアセスメントのもとに母子相応しい授乳方法や、母親のセルフケア能力向上の支援など、母親の自立に向けた支援を具体的に行える専門助産師の育成を早急に行う必要がある。
|