2007 Fiscal Year Annual Research Report
若年発症1型糖尿病患者の食行動に関する心理過程解明のための尺度開発
Project/Area Number |
17592294
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河村 一海 Kanazawa University, 医学系研究科, 准教授 (50251963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 美智子 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (40115209)
多崎 恵子 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (70345635)
村角 直子 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (30303283)
松井 希代子 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (90283118)
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Keywords | 若年発症1型糖尿病患者 / 食行動 / 心理学的特徴 / QOL / 看護介入 |
Research Abstract |
【目的】H18年度に作成した「1型糖尿病患者の食に関する思いについてのアンケート」用紙を若年発症1型糖尿病患者に実際に使用し,質問紙によって患者が類型化できるかどうかを検証する。 【調査対象】日本国内の1型糖尿病患者を診療している医師のところへ通院している患者のうち,研究の主旨やアンケートの内容が理解でき,研究への同意が得られた若年発症1型糖尿病患者113名。 【分析方法】1.95項目のアンケート項目を19テーマに分け,テーマ毎に得点を算出した。2.テーマ毎の得点に因子分析を行い,因子を構成するテーマを抽出した。3.対象毎に,それぞれの因子を構成するテーマの得点を合計したものを尺度の得点として算出し,対象の属性との関係および尺度間の相関関係を見た。 【結果】1.対象は若年発症(25歳以下)1型糖尿病患者男性42名,女性71名であり,アンケート調査時の平均年齢は25.1±8.0歳,平均発症年齢は10.0±5.2歳,平均糖尿病歴は15.0±8.1年であった。また対象の背景と性別との関係はなかった。2.19テーマの得点について因子分析(最尤法,バリマックス回転)を行った結果,3因子が抽出された。そこで因子を構成するテーマの内容から,第1因子を「糖尿病であることへの不安や不満などのネガティブな感情をあらわす尺度」(尺度1),第2因子を「家族と関係するところでの食行動に対する感情をあらわす尺度」(尺度2),第3因子を「糖尿病であるためにやらなければならないことをポジティブに考え,積極的に対処していこうとする感情をあらわす尺度」(尺度3)と命名した。3.尺度2,尺度3の得点を2次元グラフにプロットしたところ,対象の糖尿病歴とプロットされる位置が関係していた。すなわち糖尿病歴10年以下のものは尺度2,尺度3両方の得点が低い位置に,反対に糖尿病歴21年以上のものは両方の得点が高い位置となっていた。4.年齢と尺度1にやや相関があり(r=0.2105),尺度2と発症年齢にやや負の相関があった(r=-0.2746)。また尺度3と発症年齢にはやや相関があった(r=0.2263)。
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