2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592295
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平松 知子 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (70228815)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 キヨ子 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (20115207)
藤原 勝夫 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60190089)
正源寺 美穂 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (80345636)
|
Keywords | 転倒予防 / フットケア / 高齢者 |
Research Abstract |
【目的】18年度は、高齢者の足部の接地状態を明らかにして日常生活情況および転倒との関係を検討することを目的とした。【方法】対象は、1年間経時的に追跡できた地域高齢者で、インフォームドコンセントの成立した88名(男性14名、女性74名、75.0±6.4歳)である。足部の接地状態は足底圧計測システムfoot scan(international社)を用いて、安静立位から最前傾に至る変化を調査した。他に足部の筋力、重心動揺などを測定した。足部の問題および転倒についてはアンケート調査を行った。分析は、足趾の接地状態のパターンを明らかにし、さらに身体機能および転倒との関係を検討した。【結果】足趾の接地分圧は、安静立位時と比べて最前傾時が高かった。安静立位時と最前傾時の10趾の接地状態は、いずれも接地する群(I群)18名、最前傾時のみ接地する群(II群)34名、いずれも接地しない群(III群)36名に大別された。1趾の接地分圧は、安静立位時・最前傾時ともにII群がI群・III群と比べて強い傾向を認めた。また、筋力および下肢の筋の厚さは、I群・II群と比べてIII群は薄い傾向を認めた。重心動揺は大きい順に、III群、I群、II群の順であった。1年間の転倒経験ありの者は、I群とIII群で約20%、II群では8.8%であった。転倒恐怖はいずれも「少し怖い」が多く、「とても怖い」を併せると過半数を占めていた。外反母趾など足部に問題があるとこと答えた者はいずれの群でも約40%であった。【考察】今回の結果から、II群が筋力とバランス能力に優れており、転倒しにくいことが示唆された。安静立位時に足趾を使わないことは足底アーチ構造が十分に機能していることが推察される。今後は重心移動に伴う足底と足趾の接地分圧の詳細な変化、およびアーチの構造との関係を検討することで、転倒の内的要因のリスクの1つを軽減するケアに有効な資料が得られると考えられる。
|
Research Products
(1 results)