2005 Fiscal Year Annual Research Report
家族介護者と痴呆高齢者のコミュニケーション技法に関する教育プログラムの開発
Project/Area Number |
17592305
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 紀代美 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (60269636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 公昭 静岡県立大学, 看護学部, 助教授 (10237703)
|
Keywords | 認知症 / 介護者 / コミュニケーション / 教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は,認知症高齢者に対する家族介護者用のコミュニケーション技法に関する教育プログラムを開発することにある。今回は,介護者のコミュニケーション技法の使用状況を把握した。 調査は,10組の対象者(介護者・認知症高齢者のペア)に対し,属性,介護内容,健康状況,認知症の症状や経過,介護者のコミュニケーション技法に関する認識を面接法,自記式質問票にて把握した。さらに,介護者の音声データの録音・収集を行うとともに,会話場面の観察も行った。分析はコミュニケーション技法に関する認識およびそれらに影響する要因には,SPSS 12.0J for Windowsを,介護者の音声には,音声分析ソフト(音声工房 Custom Ver2.1,NTTアドバンステクノロジ株式会社)を用いた。 介護者の平均年齢は61.6±12.4歳で,女性9人,娘は6人であった。介護者の4人が何らかの病気に罹患していた。認知症高齢者の年齢は85.1±6.7歳で,女性が6人であった。要介護度は要介護2および4が各3人であった。認知症高齢者のMMSE(Mini Mental State Examination)は平均16.0±6.2点であった。 介護者が認知症高齢者に対して用いているコミュニケーション技法の中で,「なるべく短く簡単な文にする」「易しく言い換えて繰り返し伝える」などは7人がいつも意識していると答えた。また,「大げさなリズムで話さない」「丁寧語や親しみを込める言葉遣いをする」などは7割以上の介護者に観察された。コミュケーション技法使用の自己認識と観察の一致度は,コミュニケーション技法によって差が見られた。介護者の高齢者に対する音声周波数は241.0±35.9Hz,対照者は224.2±33.5Hzと高齢者に対しての方が高いように見受けられたが,統計学的な有意差は認められなかった。
|