2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592311
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
寳田 穂 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00321133)
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Keywords | 薬物依存症 / 回復過程 / 援助 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「薬物依存症を患う人(以下、薬物依存症者)に半構造化インタビューを行い、その語りを分析・記述し、薬物依存症からの回復過程における適切な援助について明らかにすること」である。本年度は、昨年度行った対象者へのインタビューデータに加え、新たに同意の得られた薬物依存症者にインタビューを行い、逐語録の作成及びデータ分析、文献検討を行った。 2か所の薬物依存症回復支援施設の責任者(ピア・スタッフ)に研究への協力を求めた。そして、インタビュー参加者のおかれている状況の理解を深めるため、薬物依存症回復支援施設や地域での回復支援活動に参加しながら、フィールドワークを行っている。インタビューにおいては、困難な過去の状況を想起するような質問でもあり、参加者の心理面でのサポートを考慮し、ピア・スタッフの協力を得ながら行った。インタビューへの参加は、本人の自由意志での参加とし、昨年と本年度で、計11名の薬物依存症者に同意を得てインタビューを行った。インタビュー結果は、同意を得て録音し、逐語記録を作成した。 得られたデータは、コーディングを繰り返しながら、薬物に依存しない生活を取り戻すプロセスでの困難な状況の特徴や、薬物依存症者本人の対処と他者からの援助の特徴について、分析を行った。その結果、回復過程における人との関係や居場所の特徴、そして薬物依存症者本人のセルフケアの高まりと他者からの関心との関係が浮かび上がってきた。それらの特徴をふまえ薬物依存症からの回復過程における適切な援助について考察を加え報告書をまとめた。
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