2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害患者と痴呆性高齢者の家族の介護キャリアを支える看護援助マニュアルの開発
Project/Area Number |
17592320
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
池添 志乃 Kochi Women's University, 看護学部, 准教授 (20347652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知女子大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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Keywords | 家族の介護キャリア / ケアガイドライン / 脳血管障害患者の家族 / 認知症高齢者の家族 |
Research Abstract |
1.研究課題:既存の文献やこれまでの研究結果をふまえて家族の介護キャリアの発展を支えるために効果的な看護ケアについて明らかにし、『家族の介護キャリアを支えるケアガイドライン(案)』を作成する。『家族の介護キャリアを支えるケアガイドライン(案)』について検討するフォーカスグループを開催し、得られたデータを分析し、その結果からガイドラインを評価し、洗練化する。 2.研究方法:フォーカスグループインタビューについては、研究への同意が得られ、日頃から家族に関心をもち脳血管障害患者や認知症の高齢者の家族ケアに携わっているエキスパートナース6名を対象に2008年2月に行った。研究者が司会を担当し、半構成的インタビューガイドに沿い進行する。1時間半程度のフォーカスグループを開催した。フォーカスグループインタビューの前に参加者には、ケアガイドライン(案)を送付し、目を通した上で討議に参加するよう依頼した。討議内容の逐語録を質的に分析しその結果に基づきケアガイドラインを洗練化し、最終版のケアガイドラインを作成した。 3.結果:家族の介護キャリアの発展を支えるために効果的な看護ケアとして《介護キャリアの基盤を支える看護》として〈介護への価値づけを支える看護〉、《介護キャリアの形成を支える看護》として〈家族の知恵の発展を支える看護〉〈オープンになりつながりを形成することを支える看護〉、《介護キャリアの創生を支える看護》として〈その人らしさを守ることを支える看護〉〈家族らしさを保つことを支える看護〉〈コントロール感を獲得し介護者としての地位を確立していくことを支える看護〉〈自己信頼の場の形成を支える看護〉〈自信の獲得を支える看護〉、《悪循環を断ち切ることを支える看護》として〈限界枠の形成を支える看護〉〈認められていることの確信を得ることを支える看護〉〈病者との関係性の確信を得ることを支える看護〉が導かれ、それらをもとに『家族の介護キャリアを支えるケアガイドライン(案)』を作成した。ケアガイドラインに関してフォーカスグループインタビューを行い、臨床現場で活用する際の活用可能性、妥当性について検討し、ケアガイドラインの洗練化を図った。以上のプロセスから(1)家族の介護キャリアとは(2)家族の介護キャリアを理解するポイント(3)家族との援助関係の形成(4)家族のエンパワーメントモデルをもとに家族の介護キャリアを支える看護介入の撰択(5)資料という5つの項目構成による『家族の介護キャリアを支えるケアガイドライン』最終版を作成した。
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