2005 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者で糖尿病合併患者の疾病受容及び自己管理に対する効果的な看護介入の開発
Project/Area Number |
17592333
|
Research Institution | Shimane Nursing College |
Principal Investigator |
石橋 照子 島根県立看護短期大学, 看護学科, 助教授 (40280127)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋鹿 都子 島根県立看護短期大学, 助手 (90342279)
加藤 真紀 島根県立看護短期大学, 助手 (70331816)
飯塚 桃子 島根県立看護短期大学, 助手 (90413492)
|
Keywords | 精神疾患患者 / 糖尿病 / 自己管理 / 看護介入 |
Research Abstract |
1.精神病院入院中の糖尿病合併患者の実態調査 目的:全国の精神病院入院中の患者で糖尿病を合併している患者の実態を知り,問題点を明らかにすることを目的とした。 結果:日本精神科看護技術協会に所属する100床以上の精神病院に主旨・方法・倫理的配慮等について説明し研究協力の了解が得られた施設は,21施設であった。21施設に入院する糖尿病合併患者は297名であり,精神科診断名は統合失調症204名,感情障害30名,アルコール依存症25名,その他であった。HbA1cが6.5%以上を糖尿病管理不良群とすると,43.1%が管理不良群であった。治療の実態は67.7%が経口もしくは注射による薬物療法を,87.9%が食事療法を受けていたが,運動療法はわずか9.1%しか実施されていなかった。糖尿病の自己管理がうまくいかない要因として,(1)自制困難,(2)糖尿病の認識欠如,(3)精神症状の悪化,(4)糖尿病に対する誤った認識があげられた。この結果を更に詳細に分析し,問題点を明らかにしていきたい。 2.糖尿病自己管理に向けた精神疾患患者への看護師の関わりのプロセス 目的:糖尿病自己管理に向けた精神疾患患者への看護師の関わりのプロセス及びコツを明らかにすることを目的とした。 結果:糖尿病の自己管理を目指して精神疾患患者へ関わっている看護師30人にインタビューした。30事例中,自己管理良好群は10事例,不良群20事例であった。良好群の看護師は精神疾患患者の特性をよく理解していた。また,できなくて当たり前という意識や,精神疾患患者の特性をプラスに考える意識がみられ『意識の転換』がなされていた。このような意識が,患者に繰り返し段階的につき合う姿勢を形成し,できることから伝えていき,生活に即した指導をするなど『具体的な関わり』に繋がっていた。また,慢性疾患である糖尿病と患者が『長くつき合えるための関わり』として,制限されないものや癒しとなるものを共に探す関わりをしていた。更に,柔軟に変えることが難しい患者の特性について,逆に一度習慣化してしまえば崩れにくいとポジティブに捉え,生活習慣化を目指す関わりができていた。
|