2007 Fiscal Year Annual Research Report
男性高齢者にむけた介護予防サービス開発に関する研究
Project/Area Number |
17592334
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
鳩野 洋子 National Institute of Public Health, 公衆衛生看護部, 室長 (20260268)
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Keywords | 高齢者 / 男性 / 介護予防 / サービス |
Research Abstract |
高齢男性の参加が得られる介護予防プログラムの開発を目指して、一年目に明らかにしたプログラム開発上留意すべき事項、二年目に実施した当該地域での介護予防ニーズ調査に基づき、男性むけの全6回からなる男性前期高齢者に向けたプログラムを自治体の協力を得て実施した。 プログラムの実施にあたっては、(1)男性だけの教室とする(2)企画に男性自身に参加してもらう(3)事業のネーミングの工夫(介護予防を前面に出さない)(4)勧誘は身近な人に個別に実施してもらう(5)プログラムの中に料理を組み込む(6)それぞれの回の目的が明確なものにする(7)参加者が役割を持てるようにするをポイントとし、具体的な内容として料理、歯の手入れ、園芸などを行うととともに、各回に地域を知る内容の短い講座をいれつつ、仲間づくりを意図したプログラムを展開した。うち、1回は参加者の希望に基づいたプログラムを行った。 結果、定員20名のところに20名の参加が得られ(応募者死亡等があり、実際は18名)、毎回の参加率の減少はほとんど見らなかった。質問紙による評価を行ったところ、新しい知識の獲得、新しい健康づくりの活動の開始等に関しては一定の成果が得られた。しかし、要介護状態リスク尺度を用いた要介護状態のリスクの軽減については、参加時点と終了時点において有意な変化はみられなかった。自由記載からは、地域の食生活推進員にプログラム支援に入ってもらった事は評価が低かったが、全般的には肯定的な評価を得た。 要介護状態のリスクの変化が得られなかったことは、実施期間の問題があったと考えられる。また、食生活推進員の評価が低かったことは、推進員が男性の支援者的な行動を取れなかったこと原因があると思われた。その他、地域への波及等の課題は残るものの、男性の主観からは満足度の高いプログラムの展開ができたと考えられ、本プログラムに取り入れた要素を盛り込むことにより、男性の参加が得られるプログラム展開の可能性が示唆された。
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