2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17600005
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
高須賀 昌志 Saitama University, 教育学部, 准教授 (30262249)
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Keywords | 環境芸術 / 環境デザイン / パブリックアート / 芸術諸学 / 環境考古学 / 環境人類学 / アートプロジェクト |
Research Abstract |
研究成果として重要な点は「環境芸術」を考察する上で,その芸術の持つ『親和性』という問題を掲げたことにある。『親和性』は,市民や鑑賞者との「物理的距離」つまり「造形性」の問題に関わることは従来の景観論に重なることとして当然であるが,加えて環境芸術を考察・研究,また評価をおこなう上でも重要な観点として「心理的距離」という問題を扱わなければならないという結論に至った。これは表象芸術のなかにあって環境芸術の特異な性質である。「心理的距離」とは「親和性」に直結する問題であり,その構成要素は,社会や社会制度における「歴史性」「場所性」「社会的背景(政治,宗教など)」「文化的背景」「教育」市民間の「気質」「芸街の位置付け」芸術の造形性における「読解性」「意味性」「視認性」など多岐にわたる諸要素によって定まることが明らかとなった。 研究・考察をおこなうにあたり,一つは日本における「アートプロジェクト」と称される活動について広範な事例収集と研究を実施し,その成果を環境芸術学会第8回大会においてシンポジウムを開催・報告し,『地域とアートのコラボレーション事例研究』(発行:環境芸術学会/編集:高須賀昌志.2007年11月)としてまとめた。また,環境芸術の実践研究として1.「菊川イメージアッププロジェクト」(供)コージアム研究部会(環境芸術学会)2.「西部総合病院壁面アートワークプロジェクト」(埼玉大学高須賀研究室)の2件を実施し,1.については「環境芸術の研究-児童と大学生とのコラボレーションによる実践-」として大学美術教育学会誌40号において論文発表をおこなった。自らの環境芸術実践制作として,ふじみ野駅前モニュメント「家族の肖像」を制作した。(2008年4月8日(埼玉県富士見市所管)。海外調査は,ニューヨーク(アメリカ合衆国)における都市およびその郊外の街区広場,諸施設について実施した。
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Research Products
(1 results)