2006 Fiscal Year Annual Research Report
既成市街地における環境持続型景観整序のためのルールづくりに関する研究
Project/Area Number |
17601005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小浦 久子 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (30243174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 絵理子 関西大学, 工学部, 専任講師 (60346187)
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Keywords | 景観 / 市街地 / 都市計画 / 持続 / 都市環境 / 規制誘導 |
Research Abstract |
昨年度、継続的な景観変化を検証した芦屋市街地において、景観変容に大きな影響を与えている共同住宅について、相隣関係や市街地イメージを持続できる変化の調整のあり方について、大規模建築物の景観協議の実態を分析することから検討した。現状では、景観協議は建築計画がある程度確定してから行われること、景観ガイドラインに法的拘束力がないことから、調整が難しく、調整プロセスの法定化や早い段階での協議開始が必要であることが指摘できた。 また、多様な既成市街地の類型をもつ大阪市の市街地のなかから、昨年度に引き続き基盤整備手法と時期の異なる工業系用途混在型市街地に着目し、主に住宅用途に関する土地利用変化とそれにともなう建築空間類型を調査分析し、土地利用の変化と景観に影響を与える建築空間の関係の検討を行った。住居系では敷地規模、間口規模により開発タイプに一定のパターンが見られることがわかり、空間変化を想定する可能性が見いだせた。都市計画や開発許可など、土地利用レベルでの計画調整が、地域の景観変容をとらえるうえで有効であることが想定できた。 芦屋・大阪の市街地調査のなかでは、総合設計制度など規制緩和とあわせた許可型の制度の適切な運用や住宅生産市場におけるデザイン提案など、制度や市場の影響も見られたが、そうした変化に対する調整には基準型が適切かどうかについて今後の議論が必要であることがわかった。 地域景観を整序していくことを検討するためには、敷地単位の建築に関するルールだけではなく、土地利用レベルでの変化の把握、それを調整する地域のしくみが重要であることがわかった。フィジカルな要因については、事例地区研究からある程度明らかになってきたが、ソフトな環境管理に関わるしくみについては、地域まちづくりにおける実践の継続的。
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Research Products
(2 results)