2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本と中国の都市の水辺環境創出に関する方法論的研究
Project/Area Number |
17601007
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
萩原 清子 Bukkyo University, 社会学部, 教授 (00198649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 良巳 京都大学, 防災研究所, 教授 (00268567)
張 昇平 名城大学, 都市情報学部, 教授 (90278333)
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Keywords | 北京市の水辺 / 事後評価 / 多基準評価 |
Research Abstract |
北京市の水辺整備基本方針の成果がどの程度評価されているかの事後評価を行った.水辺整備目的(基本方針)として挙げられた5つの項目のうち, 2) の評価項目として:水質, 3) の評価項目として:生態系の再生;生物多様性;景観の回復;自然との調和, 4) の評価項目として:歴史的・文化的空間の再生, 5) の評価項目として:観光;利用をあげた.また,このような整備のための投資の適切性および水辺の維持のための負担についても質問項目とした.さらに,人々の感性による評価をみるため,日本で行った印象評価〔9〕に対応する項目を含めた.そして各評価項目について5段階の評価(「とてもそう思う」の5から,「全くそう思わない」の1まで)に回答してもらった.調査は2007年10月13日〜11月10日に中国科学院水利水電科学研究院学生(修士・博士課程)による現地面接調査として転河,菖蒲河,元朝堀の3箇所で行った.サンプル数は1箇所につき100である. 面接調査結果の多基準評価の結果は以下のとおりとなった. 菖蒲河は8項目中6項目で1位,元朝堀は特に利用での評価が高い.線形加法和モデルによ3ヶ所の水辺に対する選好は菖蒲河が1位で以下元朝堀,転河の順となる.コンコーダンス分析によっても評価順位は菖蒲河,元朝堀,転河の順となる. 以上より,北京市の整備基本方針に関する事後評価では菖蒲河,元朝堀,転河の順となる.このように,北京の人々は政府(北京市)の整備を非常に高く評価し,また投資額についても文句を言わず,維持管理についてはお金も労働も負担するというように非常に"優等生"的な回答をしている.この結果は日本の場合とはかなり異なる.
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