2005 Fiscal Year Annual Research Report
里山を利用した「もの」「ひと」をつなぐ感性教育・環境教育
Project/Area Number |
17602001
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
清水 裕子 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (30143184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 和也 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (60292570)
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Keywords | 里山 / ものづくり / もったいない / 綿 / 糸紡ぎ / 藍 / 生葉染め / 追求カード |
Research Abstract |
里山は里の人々が「もの」をいただくとともに、大切に守り、手入れをして、いい状態に保ってきた。このような生活の中には、日本的感性である「もったいない」が存在していた。そこで、日本的な感性を醸成してきた里山を舞台にものづくりを通して、「ひと」と「ひと」、「ひと」と「もの」の「いのち」をつなぐ環境教育・感性教育を試みた。すなわち、里山で、綿の栽培・採集、糸紡ぎ、織り、里山から入手できる植物染料による染色、藍の栽培・染色などを総合的な学習の時間で実践することにより、ものづくりの手間と苦労を感じること、それを実際の生活に用いることにより、里山・自然と生活との関わりを認識し、ものの大切さを認識することを目的とした。 実践授業は、宇都宮大学附属小学校3年1組みの総合的学習の時間に、里山に関わる課題追求型の学習を行った。期間は2005年4月から11月までの8ヶ月間である。学習の場としての「里山」については、宇都宮市横山町に休耕田の一部を借り、「里山」を学習の場とするための土地の整備、畝作り、水路の作成、観察のための木道の作成などを行い、「里山」においての作業や観察が効果的にできるような状態を作った。実践授業の概要は、4月に綿繰り・綿と藍の播種、5月に里山観察・里山への定植、6月に除草・追肥などの管理作業、7,月に藍の生葉を用いた生葉染め、9月はグループごとの調べ学習で、里山でのものづくりに関連し、草木染め班、糸紡ぎ・手織り班などが活動した。10月はグループごとの調べ学習を行うとともに、クラス全体では綿と藍の収穫、採種を行った。11月は学習の集大成として、それまでの活動を文化祭(松原フェスタ)で発表を行った。 この授業の評価方法として、児童が毎回の授業でまとめとして記録した追求カードの内容を文章ごとにカード化し、KJによるマッピングにより分類整理し、授業全体の時系列的な感性変化や授業者の働きかけの効果を明らかにするとともに、児童のひとやもの、もののいのちに対する感性の育成を確認した。
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