2006 Fiscal Year Annual Research Report
参加・体験型学習による生活課題への気づきを促す総合的な授業開発
Project/Area Number |
17602003
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
堀内 かおる 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (00252841)
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Keywords | 参加型学習 / 授業開発 / アクション・リサーチ / 家庭科 |
Research Abstract |
平成18年度は、平成17年度より継続して行ってきた家庭科授業研究会での授業・カリキュラム開発の活動を中心に展開した。毎回約10名の小・中・高校の教師が参加する授業改善を目的とした研究会(家庭科授業研究会)を年間で6回開催し、教師たちの授業提案を受けて討議し、よりよい授業のあり方を検討した。研究会での討論を踏まえ、各教師はそれぞれの課題意識に基づく授業を勤務校において実践・検証し、その結果を研究会で報告するという方法で、授業改善に向けたスパイラルな取り組みが軌道に乗った。中学校における消費者教育に関する参加型学習の実践については、1月に学校を訪問し、第2学年の授業を参与観察し、参加型の手法による生徒の学びの状況について分析・考察した。研究会に参加している教師たちの課題意識は、食育と家庭科教育、家庭科における「体験的活動」の意義、家族関係に困難がある生徒にとっての「家族」学習上の諸問題と留意点、消費者教育実践における参加型学習の有効性等の広範囲に及ぶものであり、研究会での討議を通して、それぞれの教師は家庭科教育の可能性と課題を広くとらえ直すことになった。 さらに、参加型学習に関する国内外の文献のなかから、生活をグローバルな視点で捉え直す開発教育教材に着目し「食」の問題を取り上げることとし、アメリカの開発教育プログラムとして開発された「フード・ファースト・カリキュラム」のテキストを読み、日本における家庭科教育実践へのヒントを得ることができた。 平成17年度に続いて、家庭科授業研究会において検討し各教師が実践した授業事例と関連する論文を集録した年次報告書である『参加型学習と授業 No.2』を発行し、家庭科教育並びに他教科の教師並びに教科教育・教育学研究者に配布し、教育現場における実践の参考とするとともに、今後につながる有意義なコメントを得ることができた。
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Research Products
(1 results)