2007 Fiscal Year Annual Research Report
小中高生の生きる力を高める芸術系総合学習のカリキュラム開発・過疎地域と芸大の連携
Project/Area Number |
17602010
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
松原 哲哉 Kyoto University of Art and Design, 芸術学部, 非常勤講師 (60351368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 憲一 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (90134147)
中路 正恒 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (40188941)
水野 哲雄 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (80259423)
森田 実穂 京都造形芸術大学, 芸術学部, 准教授 (00368060)
稚原 保 京都造形芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (80411312)
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Keywords | 芸大と過疎地域の連携 / お窯プロジェクト / 芸術総合学習 |
Research Abstract |
研究開始から3年目に当たる今年度は、研究代表者で企画と実行の責任を負う松原が、所属する京都造形芸術大学での職位変更に伴い、5月に茨城へ転居するという想定外の事態が発生したため、当初の目標を変更せざるを得なかったという点を、最初にお断りしておかなければならない。そのような変則的な状況の中で、今年度は以下の活動をおこなった。 先ず例年に倣い、松原が京都造形芸大の学生達と夏祭りの時期に黒田を訪れ、村の子供達や村人と協力しながら、昨年制作した会場ゲートを祭りの中心行事である松上げにふさわしい、火をテーマとしたより壮麗なものへと作り変える作業をおこなった。祭りの夜を華やかに彩り、大好評を博したこのゲートは、共同体の象徴的存在である祭りの活性化が「ものづくり」により可能性となることを極めて具体的に実感させてくれる格好の証左となった。 また昨年に続き、中路を中心に学生達が村の古老達に対し、「ものづくり」の深い経験を丹念に掘り起こす聞き取りとアンケート調査をおこない、更には松原・椎原・中路と研究協力者の寺村幸治が、現在の黒田に最も必要かつふさわしい「ものづくり」プログラムとは何かを今一度模索すべく、村人達と討議を重ねた。その結果、黒田の風土を形成する基本要素、土・火・木に深く関わる三種のお窯の制作と活用を軸にした「お窯プロジェクト」が生まれるに至った。これは、村の子供が大人達と協力しながら、周辺の雑木を材に自家製の炭焼き窯で炭を作り、近隣で収穫される山の幸をこの炭と自家製の石窯を用いて調理し、出来た料理を自作の陶器で食するという「ものづくり」体験を通し、過疎化によって急速に荒廃しつつある黒田の山林の現状を直視し、その復興を考えていく循環型プログラムである。 黒田自治会の協力を得て、平成20年度4月から早速、この一環として作陶プロジェクトが実施されることになっている。
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Research Products
(4 results)