2006 Fiscal Year Annual Research Report
総合的な学習の時間における福祉のカリキュラム化に関する基礎的・実践的研究
Project/Area Number |
17602011
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
横山 利弘 関西学院大学, 教職教育研究センター, 教授 (60076768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南本 長穂 関西学院大学, 教職教育研究センター, 教授 (60108371)
善明 宣夫 関西学院大学, 教職教育研究センター, 教授 (00226698)
大喜多 喜夫 関西学院大学, 教職教育研究センター, 教授 (60233061)
小谷 正登 関西学院大学, 教職教育研究センター, 助教授 (80368456)
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Keywords | 福祉教育 / カリキュラム / 総合的な学習の時間 / 特別支援教育 / ノーマリゼーション / 学校教育 |
Research Abstract |
本研究を推進するため、昨年度は国家事業として福祉の体制を整え実践を行っている実状を知り、その体制と実践を支えているものとその内容を明らかにすることを目的として福祉大国・生活大国と呼ばれるデンマークに「福祉教育」の調査研究に赴いた。ノーマリゼーションが実践され障害の有無にかかわらず全ての児童生徒が共に学校生活を送ることによって、学校のみならず社会全体で福祉教育が実践されている実状が明らかとなった。以上の調査結果をもとに、本年度は2007年4月から本格的に実施される特別支援教育を中心テーマとし、カリキュラム化に関する研究を進めた。その中心事業として去る2007年2月21日にシンポジウムを開催した。同シンポジウムは、特別支援教育の改革および施策の内容を広く普及させるとともに、デンマークの現職教員より福祉大国における特別支援教育および福祉教育の実状について報告を受け、今後の特別支援教育のあり方および同教育を推進する中で全ての児童生徒の福祉マインドを育てていくことの可能性を協議することを目的として実施した。第I部として文部科学省特別支援教育課の古川聖登氏を講師に招き基調講演を行った。そこでは、現在展開されている同教育推進事業の概要、実施状況および問題点が明らかにされた。第IIのシンポジウムでは兵庫教育大学の柘植雅義氏(前文部科学省特別支援教育調査官)、デンマーク・ボーゲンセ国民学校のイエッテ・フレデリクセン氏および加藤幸夫氏、本センターの小谷正登をシンポジストとし、日本とデンマークの同教育および障害理解を含む福祉教育について発表と討論を行った。また、第III部の情報交換会では参加者の実践を互いに発表し合い、同教育の今後の方向性を議論した。以上の公開シンポジウムによって、学校現場のみならず全ての市民が障害のある児童生徒の良き理解者となる必要性とそのための具体的方法が明らかにされた。なお、公開シンポジウムの開催内容についての報告書を作成し、本年度中に関係機関に配布予定である。また、本シンポジウムで得られた知見を神戸市教育委員会との連携事業に反映し、児童生徒の福祉マインドや技能を育むことが可能な「福祉」のカリキュラムを構築する予定である。
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