2005 Fiscal Year Annual Research Report
機能性食品の過剰摂取又は医薬品との相互作用に伴うリスクに関する基礎研究
Project/Area Number |
17604005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊東 秀之 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70253002)
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Keywords | 機能性食品 / 医薬品との相互作用 / 薬物代謝酵素阻害 / クランベリー / 尿路感染症 |
Research Abstract |
機能性食品の機能に関してマスコミなどの過大報道や,機能性食品製造のメーカー間による機能性成分の含量の違いや,適切な摂取方法の徹底などが図られていないこともあり,消費者の過剰摂取や医薬品との相互作用などに起因するリスクが生じている.本年度は機能性食品に広く含まれているポリフェノールの生体内利用性の解明を目的として,多種多様なポリフェノール成分を含有するクランベリージュースを飲用後,どの種のポリフェノール成分がどれだけ吸収され,どのような形となって排泄されるかを検討した.まず,ポリフェノールの中でもクランベリーに豊富に含まれているアントシアニンに注目し,ジュース中およびジュース飲用後のボランティアから採取した尿サンプルについて,HPLC-ESI-MS-MSを用いた各種アントシアニンの分析を行った.種々分析条件の検討を行った結果,HPLCグラジエント法により,1分析あたり30分で16種のアントシアニンを定量できるHPLC-ESI-MS-MS法を確立した.本法によりクランベリーから16種のアントシアニンの存在を確認し,そのうち3種はクランベリーに含まれるアントシアニンとしては未報告のものであった.また,11人のボランティアについてクランベリージュース飲用後,24時間までに採取した尿を本法によりアントシアニンの定量分析を行った結果,定量可能な6種のアントシアニンのうちPeonidin 3-O-galactosideが最も多く尿中に排泄され,また投与量に対する全アントシアニンの尿中排泄率は5%と高い値を示した.以上の結果から,クランベリーのアントシアニンは他の食材に含まれるアントシアニン(尿中排泄率1%以下)に比べて,高い生体内利用性(吸収,排泄)を示すことが明らかとなった.
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