2006 Fiscal Year Annual Research Report
機能性食品の過剰摂取又は医薬品との相互作用に伴うリスクに関する基礎研究
Project/Area Number |
17604005
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊東 秀之 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70253002)
|
Keywords | 機能性食品 / 医薬品との相互作用 / 薬物代謝酵素 / クランベリー / 尿路感染症 / 食の安全 |
Research Abstract |
機能性食品に広く含まれているポリフェノールの生体内利用性の解明の一環として,多種多様なポリフェノール成分を含有するクランベリージュースを飲用後,どの種のポリフェノール成分がどれだけ吸収され,どのような形となって排泄されるかを検討した.昨年度クランベリーに豊富に含まれているアントシアニンのヒトにおける尿中排泄について検討し,その排泄率がクランベリーアントシアニンは他の食材のアントシアニンに比べて高いことから,クランベリーアントシアニンの高い生体内利用性が示唆され,その結果を本年度論文発表した.また他のクランベリーポリフェノール成分についてもジュース飲用後のボランティアから採取した尿サンプルをHPLC-ESI-MS/MS法により分析を行った結果,低分子ポリフェノール酸のVanillic acidなどが多量に尿中に排泄され,さらに飲用したジュース中には含まれていなかったポリフェノールも数種類高濃度に排泄されていることを認めた.また,今までに吸収されないと考えられていたフラボノイド配糖体も各種尿中に排泄されていることを確認し,今回の実験結果ではフラボノイドは配糖体としても吸収され尿中に排泄されていることが明らかとなった.一方,クランベリーの特徴的なポリフェノール成分であるA-typeのProanthocyanidin類も尿中にメチル化体として排泄されていること,またカテキンもメチル化された形で尿中排泄されていることも明らかにした.以上の研究より生体内に吸収されていることが明らかになった代謝物の中から,ワルファリン服用患者の副作用の原因のひとつとして考えられるCYP2C9の活性阻害物質をクランベリー成分中から現在探索中であり,医薬品と身近な飲料との相互作用のリスクアセスメントの基礎データを構築している.
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Urinary excretion of anthocyanins in human sfter cranberry juice ingestion2006
Author(s)
Ohnishi, R, Ito, H, Kasajima, N, Kaneda, M, Kariyama R, Kumon, H, Hatano, T, Yoshida,T
-
Journal Title
Biosci.Biotech.biochem. 70
Pages: 1681-1687
-
[Journal Article] Effects of chlorogenic acid and its metabolites on spontaneous locomotor activity in mice2006
Author(s)
Ohnishi, R., Ito, H, Iguchi, A, Shinomiya, K, Kamei, C, Hatano, T, Yoshida, T
-
Journal Title
Biosci.Biotech.biochem. 70
Pages: 2560-2563