2005 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドアレイを用いたダイオキシン・異常プリオン識別人工合成抗体の開発
Project/Area Number |
17604007
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
國松 己歳 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (70145746)
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Keywords | ダイオキシン / 抗体 / アリール炭化水素受容体 / ペプチド |
Research Abstract |
ダイオキシン類は、地球上に存在する有機化合物の中で最大の毒性を持ち、その毒性は免疫障害、生殖異常、発ガン性、催奇形性など広範囲に渡る。生体内で代謝分解がなされにくいため食物連鎖により生物濃縮される危険性があり食品への汚染が懸念されている。ダイオキシン等の脂溶性リガンドが細胞内に入るとAhR(アリール炭化水素受容体)と可逆的に結合する。AhR・リガンド複合体は核内に運搬され、核内でAhR核運搬タンパク(ARNT)と結合し三者複合体を形成し、DNAの特定の配列:XRE(異物応答配列)に結合することにより、CYP1A1などの遺伝子発現を誘導し、毒性が発現すると考えられている。そこで、ダイオキシン類の簡易測定の開発を目的として、リガンドとして安全なメチルイエロー(4-Dimethylaminoazobenzene)を用い、AhR・ARNTの全アミノ酸配列を網羅するペプチドチップを調製しダイオキシン等に結合するペプチドの検索を行った。ダイオキシン結合タンパク質であるヒトAHR(arylhydrocarbon receptor)および、ヒトARNT(AHR nuclear translocator)の全アミノ酸配列を遺伝子データバンクより入手し、これら全アミノ酸配列を網羅するペプチドチップを分子設計しAuto spotペプチド合成機により14merのオーバーラップペプチドを作製して、メチルイエロー結合部位を検索した。その結果、ダイオキシン等に直接結合するとされているAhRだけでなくARNTにもメチルイエローが結合する領域を見出した。同様にダイオキシン免疫測定法の感度増強を目的にウサギやマウスIgG結合性合成ペプチド抗体のアミノ酸配列をProtein A, G, L, Fcγ受容体、FcRn, FcRL受容体より見出すことに成功し、人工合成2次抗体ペプチドとしての特異性、有用性、汎用性を現在検討中である。
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Research Products
(1 results)