2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17605011
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
兼板 佳孝 日本大学, 医学部, 講師 (40366571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井田 隆 日本大学, 医学部, 教授 (40321864)
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Keywords | 中学生 / 高校生 / 睡眠 / 眠気 |
Research Abstract |
中学生、高校生の睡眠問題の実態を把握する目的で、平成17年度に東京都内で6年間一貫教育を実施している某学園において、自記式質問票を用いた調査を実施した。平成18年度においては、回収した質問票を集計し、統計解析を行った。解析例は中学1年生から高校3年生の6学年の645例であった。「睡眠時間7時間未満」、「入眠障害」、「起床時に疲れがとれない」、「授業中眠くなる」の4つの睡眠問題の有病率は、それぞれ41.9%、17.7%、36.5%、42.1%であった。「授業中眠くなる」については、女子生徒が男子生徒に比べて有意に多かった。それ以外の睡眠問題においては、性差は認められなかった。また、4つの睡眠問題のすべてにおいて、学年が増すごとに有病率が高い傾向にあることが示された。 次に、自記式質問票による日中の眠気に関する評価尺度を開発し、妥当性と再現性を検討した。平成18年10月と11月に東京都内の3つの中学校の在籍生徒に質問票に回答することを依頼して634例のデータを収集した。開発した眠気尺度の得点と、自覚的睡眠不足感、ピッツバーグ睡眠質問票得点、精神的不健康度(General health questionnaire得点)の間には、いずれも統計学的に有意な正の相関が認められ、眠気尺度の得点と睡眠時間との間には負の相関が認められた。以上の結果より、眠気の尺度に妥当性があることが示された。また、1ヵ月間隔で同一対象者から得られた2回の眠気尺度の得点の間には、有意な正の相関が認められ、眠気の尺度に再現性があることが示された。開発した日中の眠気尺度の妥当性と再現性が証明されたことにより、本尺度が今後の睡眠疫学調査に利用し得ることが示唆された。
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