2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17605011
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
兼板 佳孝 Nihon University, 医学部, 講師 (40366571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井田 隆 日本大学, 医学部, 教授 (40321864)
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Keywords | 中学生 / 高校生 / 睡眠障害 / 精神・心理的状況 |
Research Abstract |
本年度は、中学生の睡眠障害と不健康な精神・心理的状況が、それぞれが他方の発症の危険因子となっているかを検計した。対象は、東京にある3つの私立中学校の生徒であり、中学1年生時に実施したベースライン調査データと、中学3年生時に実施したフォローアップ調査データを連結して分析した。睡眠障害はピッツバーグ睡眠質問票によって、精神・心理的状況はGeneral Health Questionnaireの12項目版によって、それぞれ評価した。対象生徒698人のうち、516人のデータが解析可能であった。ベースライン調査で不健康な精神・心理的状況でなかった者のうち、2年間で新に生じた不健康な精神・心理的状況の発症率は35.1%であった。新に生じた不健康な精神・心理的状況には、睡眠障害の新しい発症や、睡眠障害が持続することが有意に関連していた。ベースライン調査で睡眠障害でなかった者のうち、2年間で新に生じた睡眠障害の発症率は33.3%であった。新に生じた睡眠障害には、不健康な精神・心理的状況の新しい発症や、不健康な精神・心理的状況が持続することが有に関連していた。 また、高校1年生を対象に睡眠麻痺(かなしばり)に関する自記式質問票データを解析した。1164人の対象者のうち、1066人(男性624人,女性442人)の回答が有効回答として回収され、これまでに睡眠麻痺の経験が有ると答えた者324人(30.4%)(男性181人,女性143人)であった。睡眠麻痺を最初に経験した時期は「中学1年生がら3年生の間」と回答した者が179名と最も多く睡眠麻痺経験者の半数以上を占めていた(55.2%)。また,睡眠麻痺経験の有る者は無い者と比較して起床時刻が早く,睡眠時間が短いという特微が認められた。ロジスティック回帰分析を用いて,睡眠麻痺経験に関連する要因を検討したところ、「悪夢経験が有る」こと、および「睡眠障害が有る」ことで有意にオッズ比が高値を示していた。
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