2006 Fiscal Year Annual Research Report
都市と農村における慢性心不全患者の入院および死亡の危険因子の包括的な比較検討
Project/Area Number |
17606003
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大倉 裕二 新潟大学, 医歯学系, 助手 (90361914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 公則 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (00303165)
塙 晴雄 新潟大学, 医歯学系, 講師 (40282983)
小玉 誠 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (10242447)
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Keywords | 慢性心不全 / 疫学 / QOL / 拡張不全 / 収縮不全 / 疾病負荷 / 有病率 |
Research Abstract |
心機能障害が地域社会へ与える疾病負荷を調査するために新潟市では14ヶ所、佐渡市では4ヶ所の医療機関を拠点とした。過去5年間に施行された心エコー検査記録(新潟市10万件、佐渡市7千件)から、45〜84歳の収縮機能障害(SD)と拡張機能障害(DD)を抽出し症例調査を行なった。 1.佐渡市における左室収縮機能障害による疾病負荷(circulation Journal 2007;71:in press) 497名が抽出されたが一般住民より有意に高い死亡率を示し2003年までに410名に減少した。45〜84歳の地域住民に占める有病率は男性1.5%、女性0.6%だった。男女とも一般住民の生命予後より有意に悪かった。Charlson Index Score 2以上の患者の割合は49%と高く、合併疾患による予後への影響が少なくないと考えられた。生命予後の予測因子は、BMI、左室径、診断時の年齢、心不全入院の既往、脳卒中、慢性腎不全(透析を含む)、悪性腫瘍が独立した生命予後予測因子であった。 2.佐渡市における左室拡張機能障害による疾病負荷(Circulation Journal 2007;in press) 中等度から高度の拡張機能障害を有する335名が抽出されたが一般住民より有意に高い死亡率を示し2003年までに272名に減少した。45〜84歳の地域住民に占める有病率は男性0.9%、女性0.5%だった。IDDとSDの患者数の比率(IDD/SD)は男性0.7、女性2.4と女性で高かった。男女とも一般住民の生命予後より有意に悪かった。Charlson Index Score 2以上の患者の割合は35%と高く、合併疾患による予後への影響が少なくないと考えられた。生命予後の予測因子は、年齢、慢性腎不全、CHFの既往、糖尿病、Ca拮抗薬の内服が独立した生命予後予測因子であった。 3.収縮ならびに拡張機能障害患者の健康関連QOL(呼吸と循環54巻9号1019頁および12号1357頁) SDおよびDD患者の健康関連QOLについて検討した。それぞれ平均4.6年および3.6年の外来治療にも拘らず、男女とも身体機能、全体的健康感、心の健康が国民標準値と比し低下していた。下位尺度の低下は運動耐容能の低下と有意に相関した。DDの中でも収縮機能の保たれたIDDについてSDとの比較を試みているが、QOLの低下はほぼ同等であった。
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Research Products
(5 results)