2006 Fiscal Year Annual Research Report
IFN-α産生能検査データベース構築とHCV肝癌発症リスク予見への活用
Project/Area Number |
17606005
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Research Institution | Louis Pasteur Center for Medical Research |
Principal Investigator |
宇野 賀津子 (財)ルイ・パストゥール医学研究センター, 基礎研究部, 室長 (50211082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 太郎 京都大学, 医学研究科・社会医学, 教授 (40196613)
垣見 和宏 東京大学, 医学部附属病院・寄付講座, 客員助教授 (80273358)
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Keywords | IFN-α産生能 / C型肝炎 / 肝癌 / 発癌リスク / plasmacytoid樹状細胞 |
Research Abstract |
平成17-18年度において、 1、ルイ・パストゥール医学研究センターで20年にわたり蓄積されたIFN-α産生能検査と一般血液検査結果のデータベースを完成させた。 2、このデータベースのうち17年分のデータを解析し、健常人112名、HCV患者20名を抽出、その統計学的解析を行った。HCV患者では60%が低下傾向あるいは低値を示したのに対し、健常人ではその数は13%と、明らかに肝癌のハイリスク群であるHCV患者で高値であった。更に、肝癌発症者の平均IFN-α産生能は健常人、非発症者に比べて低値であることを明らかにした。この結果は"Impaired interferon-α production and the Cancer risk."の論文にまとめ、現在投稿中である。 3、IFN-α産生能の低下の病因解明の為、患者末梢血中のIFN-α産生細胞の同定のためのFACSによる細胞内IFN-α測定系を確立した。その結果、末梢血中の主たるIFN-α産生細胞は、plasmacytoid樹状細胞(pDC)であることが明らかにされた。そこで、患者個々のpDC数をFACSにて測定する系を作り、IFN-α産生能とpDC数との関連について検討した。健常人のIFN-α産生能とpDC数をもとに、正常範囲の95%確率楕円をもとめ、HCV肝炎患者の中で、その確率楕円外に位置する患者について検討したところ、肝硬変、肝癌患者の多くが位置し、pDCの機能的不全が推察された。一部にはpDCの数の低下の認められる疾患もあり、IFN-α産生能とpDC数の同時測定は、IFN産生不全症を要因によって分類できる可能性を示唆した。これらの研究については、平成18年日本免疫学会にて発表した。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] 腎機能の憎悪にて診断に至ったMPO-ANCA"偽"陰性の顕微鏡的多発血管炎一例 -MPO-ANCA陽性度の測定法によるheterogeneityについて-2007
Author(s)
猪原登志子, 宇野賀津子, 古宮俊幸, 辻井知美, 米本智美, 田中麻理, 田原佐知子, 塚本達雄, 小野孝彦, 柳田素子, 深津敦司, 北徹, 鈴木和男, 武曾恵理
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Journal Title
Pharma Medica 25(5)
Pages: 173-198
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[Journal Article] Clinical utility of 2',5'-oligoadenylate synthetase activity measurement : Using whole blood as a highly sensitive method to detect the effects of IFN2006
Author(s)
Uno K, Suginoshita Y, Kakimi K, Moriyasu F, Nakano K, Nakamura N, Fujita T, Horino Y, Sato T, Kishida T
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Journal Title
J Virol. Methods 136
Pages: 185-192
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