2006 Fiscal Year Annual Research Report
OX40を標的としたアレルギー・自己免疫治療法の開発
Project/Area Number |
17607001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村田 和子 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (20137631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 直人 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (60291267)
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Keywords | 自己免疫 / 細胞補助シグナル |
Research Abstract |
目的:間質性肺炎と潰瘍性大腸炎を自然発症するOX40L-Tgマウスでは血清中に高濃度のIL-5とIL-13が検出される。IL-13はアレルギー反応や粘膜臓器(肺や腸管)の炎症に関与するとされるrh2サイトカインである。エフェクターTh2細胞は、in vitroではIL-13を産生するが、生体内炎症反応でのIL-13の産生細胞は種々の候補があり、確定されていない。他方、OX40L-TgマウスをIL-13欠損マウスと交配したところ、(予備実験レベルではあるが)潰瘍性大腸炎発症が有意に抑制された。一方、間質性肺炎の発症にはそれほど影響を与えなかった。そこで、本研究では、アレルギーや組織炎症におけるIL-13の役割を、アレルギー・自己免疫疾患自然発症モデルマウスであるOX40L-Tgマウスを用いて明らかにする。 結果・考察:OX40L-TgマウスとIL-13欠損OX40L-Tgマウスの間質性肺炎および潰瘍性大腸炎発症の程度を、体重減少、組織像を比較した。その結果、IL-13欠損OX40L-TgマウスにおいてはOX40L-Tgマウスに比較して間質性肺炎および潰瘍性大腸炎の発症が抑えられ、体重減少も抑制された。また、OX40L-TgマウスのCD4陽性T細胞をリンパ球欠損RAG-KOマウスに移入すると、間質性肺炎と潰瘍性大腸炎の発症が再現される(J Immunol, 2002)ことを利用して、IL-13欠損OX40L-Tgマウス由来CD4陽性T細胞がRAG2-KOマウスにこれら疾患を再現できるかどうかを検討した結果、CD4陽性T細胞が産生するIL-13が疾患発症に直接的に関与することを明らかにした。以上のことから、OX40/OX40Lの下流においてIL-13が重要な働きをしていることが明らかとなった。
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