2006 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花粉アレルゲン分子種の網羅的アレルゲノーム解析
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17607008
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小埜 和久 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10144883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋 庸裕 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (80284165)
河本 正次 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (90294537)
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Keywords | スギ花粉症 / 感作アレルゲン / アレルゲノーム解析 / IgE頻度マップ / アレルゲン封入多角体 / プロテアーゼ / リパーゼ / ハイドロラーゼ |
Research Abstract |
スギ花粉症患者がそれぞれ異なる固有の感作アレルゲンスペクトラムをもつことから、これらに関する生化学的知見を集積することは、抜本的対策を確立する上重要である。そのためには、感作アレルゲン分子種を特定する次世代臨床診断システムの構築、およびその情報に基づくテーラーメイド型ワクチンの創製を可能にする基盤技術の整備が必須となる。そこで、網羅的アレルゲノーム解析によって作製したIgE反応頻度マップから、昨年度に続いて、高反応性を示す新規アレルゲン分子種の部分アミノ酸一次配列をTOF-MS解析により決定した。これらの情報を許に縮重プライマーを作成し、PCRおよび5'-ならびに3'-RACE法にて、それぞれの全塩基配列を決定した。これによって、主要抗原(Cry j1、Cry j2および昨年度全塩基配列を決定したCPA39、CPA63)に、新たにCPA9、CPA71/72、CPA114-1、2が加わった。CPA9、CPA71/72、CPA114-1、2は、それぞれプロテアーゼ・ファミリー、リパーゼ/ハイドロラーゼ・ファミリー、ハイドロラーゼ・ファミリータンパク質と高い相同性を示す新規なアレルゲンである。当該アレルゲン遺伝子を含む組換えバキュロウイルスを別々に作製して、多角体中にアレルゲン分子種を発現封入して、このアレルゲン封入多角体がスギ花粉症患者特異IgEと反応することを確認した。一方、組換え型CPA63をバキュロウイルス系で発現・精製して、その基質特異性および阻害剤との反応性から酸性プロテアーゼであることを証明した。逐次、これら新規アレルゲンの免疫生化学的特性の解析と異種生物起源の同種分子種間の交差反応性を立証して、特許出願していく予定である。
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Research Products
(5 results)