2005 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー疾患に関わる細胞機能制御遺伝子と転写調節因子
Project/Area Number |
17607012
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
西山 千春 順天堂大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20327836)
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Keywords | PU.1 / GATA-1 / FOG-1 / マスト細胞 / IgE受容体 / アレルギー / 一塩基置換多型(SNP) / 樹状細胞 |
Research Abstract |
我々は、アレルギー疾患に関わる免疫担当細胞の機能発現や分化誘導機構について、転写調節因子をターゲットに解析を行っている。転写調節因子PU.1とGATA-1による協調的転写活性化がマスト細胞特異的な遺伝子発現に重要な役割を果たしていることを発見してから(Nishiyama, J.Immunol.2002)、これら転写調節因子の血球系細胞分化や特異的遺伝子発現に対する機能解析を進めている。その結果、PU.1の発現レベルがマスト細胞と樹状細胞の分岐を決定する要因であることを前駆マスト細胞や(Nishiyama, BBRC 2004;Nishiyama, FEBS Lett. 2004)成熟マスト細胞へのレトロウィルス発現系を用いて明らかにしてきた(Ito, J.Immunol. 2005)。また、GATA-1の発現量が著しく低下している遺伝子変異マウス、GATA-1ノックダウンマウス(筑波大学山本雅之教授供与)を用いた解析から、GATA-1がマスト細胞における遺伝子発現、特にアレルギー反応に必須であるIgE受容体発現を制御する因子であることを個体レベルで確認するに至った(Nishiyama, Int.Immunol. 2005)。加えて、最近ではIgE受容体β鎖プロモーターのマスト細胞特異的活性化機構を調べ、転写共役因子FOG-1がGATA-1に依存した転写を赤血球・巨核球系列特異的に抑制するという現象を発見し、上述のGATA-1とPU.1による協調的転写活性化に続く第二のマスト細胞特異的遺伝子発現制御機構として報告した(Maeda, Blood 2006)。これら一連の研究に対して、社団法人日本農芸化学会より2005年度日本農芸化学奨励賞を授与されている(Nishiyama, Biosci.Biotechnol.Biochem.2006)。
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Research Products
(12 results)