Research Abstract |
実行可能な廃プラスチック再資源化方策の検討を目的として,一般廃棄物と産業廃棄物を合わせて,札幌市における廃プラスチックのマテリアルフローを調査し整理した。一廃系では「容リその他プラ」など5種類,産廃系では「廃タイヤ」など4種類,合計9種類の廃プラスチックを対象とした。各種廃プラスチックに関して,中間処理施設および再資源化施設,再利用施設をヒヤリング調査し,排出〜収集運搬〜中間処理/再資源化〜再利用/最終処分に至る流れや連携を整理してフロー図を作成し,プロセスごとにエネルギー消費量,コストなどについてインベントリーを整理した。さらに,ヒヤリング調査により,再資源化施設から見た入口側の質や量などの変動要素,出口側の市場性や価格の変動要素など,内包する影響要因に関して把握することができた。 調査結果から,セメント・製紙・鉄鋼業でのエネルギー需要が高く,RPF(固形燃料)や廃タイヤの燃料利用がさかんに行われ,発泡スチロールやトレイの材料リサイクルが活発であること,埋立量削減への要請が高いことが明らかになった。さらに,循環利用における影響要因の整理に基づいた実行可能な改善シナリオを数種提案し,LCA的分析による現状との比較から,エネルギー消費量,CO_2排出量,最終処分量,コストを削減でき,かつ再資源化率を向上させることが可能であることを示した。 また,行動科学的視点による消費者の再資源化促進行動要因調査の一環として,分別・減量化意識の高い女性グループ,職業を持ち家事に時間的余裕がない女性グループ2種類を対象に,容器包装プラに焦点を絞りグループインタビューを実施した。分別行動に関してはともに実行度が高いものの,スーパーなどの店頭回収利用,わかりやすい情報提供など,再資源化促進方策の重要度に関して認識の違いが明らかになった。
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