2006 Fiscal Year Annual Research Report
誇りをベースとした技術者倫理教育手法の基礎研究および開発
Project/Area Number |
17612005
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊勢田 哲治 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教授 (80324367)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田山 和久 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90217513)
黒田 光太郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30161798)
杉原 桂太 南山大学, 数理情報学部, 講師 (40410758)
|
Keywords | 倫理学 / 技術者教育 |
Research Abstract |
本年度は本研究の最終年度であるため、文献調査・学会調査や研究会活動の継続とともに、研究成果の取りまとめに大きな力を割いた。学会調査については、本年度はバンクーバーで行われた科学史・科学哲学・科学技術社会論の合同年次大会を対象とした調査を行った。研究会活動としては、航空機事故をテーマとした事例研究の研究会、倫理学の原理論であるメタ倫理学に関わる研究会、技術者を専門職としてとらえることについて考える研究会、技術倫理教科書の比較検討の研究会などを関連する諸団体と共に開催した。また、11月におこなわれた科学技術社会論学会では本研究の代表者および分担者が中心となって、専門職業という概念の見直しを含む技術倫理教育のありかたについてのワークショップを行った。こうした研究活動から、誇りの概念やプロフェッション(専門職業)の概念については、哲学・倫理学の観点だけではなく、心理学的・社会学的背景まで考慮に入れてもう一度検討しなおす必要があることが明らかになってきた。本研究の結論とも言える研究発表は12月に台湾で行われた技術者倫理に関する台日合同カンファレンスや2月にシンシナティで行われた実践・専門職倫理学会(APPE)で行われたが、これらの報告にあるように、技術者倫理は技術者だけの問題とするのではなく社会システムとしてとらえる必要があり、技術者倫理教育もその一環という位置づけで内容を吟味する必要がある。また、技術者の側の倫理的な自覚を促す方法として、技術が社会のために積極的に貢献している面について注意をむけさせるような教育手法が必要である。以上のような研究活動と並行して、教科書『誇り高い技術者になろう』をベースとした教育のための教材開発についても、研究分担者それぞれが行い、名古屋大学や南山大学における技術者倫理の授業で利用された。
|
Research Products
(10 results)