2005 Fiscal Year Annual Research Report
工学の分野をまたがる事故と専門家の位置づけの基礎研究
Project/Area Number |
17612010
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
斉藤 了文 関西大学, 社会学部, 教授 (60195998)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北詰 恵一 関西大学, 工学部, 助教授 (50282033)
吉田 敬介 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60191582)
久保井 亮一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40029567)
水谷 雅彦 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50200001)
小澤 守 関西大学, 工学部, 教授 (60112009)
|
Keywords | 工学倫理 / 制度 / 事故調査 / 法 / 専門家 |
Research Abstract |
今年度は、公開研究会を8回行った。 専門的知識の提供に関して、江口禎氏と松本光平氏には、建築士という専門家について、松本祥尚氏には公認会計士について、また進藤雄三氏には、医師について、それぞれの立場から情報提供をいただき、密な議論を行うことができた。専門家というのは、それぞれの分野で特異な問題状況にあって、そこでの問題解決をしていることが再確認された。これ等を理解するためには新たな枠組みが必要であると言うことも痛感された。そこで、日本の技術者の現状を知ることと、全体を鳥瞰できるその枠組みの探求も行った。この方針の下、坂清次氏には化学プラントの法的規制と事故調査の枠組みを、辛島恵美子氏には安全学の構想を、古谷圭一氏には工学倫理の歴史的理解を、小柳正弘氏には社会学の観点から工学倫理の位置づけを、権上かおる氏にはRDFを題材に市民の観点を、竹中利彦氏と小川清次氏にはそれぞれの哲学的観点を、情報提供していただき、それについて議論を深めた。多面的な問題であるために、単純にはまとめられないが、展望は開けかけている。 更に、吉田は九州大学大学院工学研究院機械科学部門で2月ごとに行われる水素利用機械システムの統合技術に関する研究会において,主として国内工場や原子力施設などで起こった事故事例に関する研究討論を行った.そこで,事故の原因とされるいわゆる設計ミスについて調査・討論を行った。それは技術者の専門知識不足に起因するように一見見えたが、その知識不足に気付かない環境,たとえば会社の体質や本人の性格などが関連しており,むしろそれを専門知識不足として片付けてしまう体質が真の事故原因ではないか,との結論を得た.専門知識不足への対応は単なる技術教育(知識付与)より、全人的な教育が大変重要であると結論付けた。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] 化学工学系2回生へのPBL教育に対するアウトカムズの持続的評価2005
Author(s)
久保井 亮一, 島田 彌, 江頭 靖幸, 海老谷 幸喜, 紀ノ岡 正博, 高橋 英明, 佐藤 博, 馬越 大, 白石 康浩, 芝 定孝, 島内 寿徳
-
Journal Title
-
-
-
-
-
-
-