2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17613002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
櫻庭 春彦 徳島大学, 工学部, 助教授 (90205823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 敏久 徳島大学, 工学部, 教授 (10093345)
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Keywords | 酵素反応 / 遺伝子 / バイオテクノロジー / 微生物 / 酵素工学 / X線結晶構造解析 / 超好熱菌 / 耐熱性酵素 |
Research Abstract |
我々は、超好熱菌で初めて2-デオキシリボース-5-リン酸アルドラーゼ(DERA)を見出し、有用性が非常に期待できる安定性の高い酵素であることを明らかにしている。超好熱アーキアPyrobaculum aerophilum由来のDERAについてはX線結晶構造解析に成功し(PDB:1VCV)、さらに、本酵素が2-デオキシリボース-5-リン酸からグリセルアルデヒド-3-リン酸およびアセトアルデヒドを生産することを明らかにしている。本年度の研究により、本酵素と常温菌DERAとの構造比較を行い、サブユニット間の疎水性相互作用がその高度耐熱性に関与している可能性を明らかにした。また新たに、超好熱菌Thermotoga maritima由来のDERA遺伝子の大量生産系を確立し、産物の酵素化学的性質を明らかにした。P. aerophilumおよびT. maritima由来DERAのアルドール縮合反応の評価を行った結果、両酵素は超好熱菌の生育温度よりはるかに低い25℃という温度において、産業利用に有用な非天然型化合物の合成反応を触媒することが明らかになった。両酵素の活性中心の構造情報から、この反応に必要と考えられるアミノ酸残基を推定した(投稿準備中)。現在、P. aerophilum DERAのmutantの機能解析を進めている。 また、好酸性好熱菌Sulfolobus tokodaiiのゲノム情報に基づき、DERA以外のアルドラーゼ(KDGアルドラーゼ:2種類)をコードする遺伝子を見出した。これらの大腸菌における発現系の構築に成功し、産物を精製後、基質特異性、反応のカイネティクス、安定性などの機能解析を行った。その結果、これらの酵素が高い安定性を持つこと、また、本来の基質であるグルコン酸以外にも作用し、広い基質特異性を持つことが判明した。これら2種類の酵素に関しては、現在、有用な縮合反応の解析を進めている。さらに結晶化を行い、良好な結晶が得られればX線構造解析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)