2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム機能解析による好圧好冷性微物の有用遺伝子探索及びその利用に関する研究
Project/Area Number |
17613006
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
仲宗根 薫 近畿大学, 工学部, 助教授 (80340834)
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Keywords | 深海環境 / ゲノム / プロテオーム / 応用微生物学 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
【目的】 全ゲノム解析が終了した好圧好冷性細菌Shewanella violacea DSS12株ゲノム情報から情報学的解析により有用遺伝子(1)候補の抽出を行い、応用化に向けた機能解析を行うことを本研究の目的とした。(1)ここでいう有用遺伝子とは、プロテアーゼなどの有用酵素遺伝子を、またEPAなど有用生理活性物質合成系に関与する酵素遺伝子群など、応用化に結びつく遺伝子群の全てを指す。 【有用遺伝子群候補の抽出とデータベース化】 本菌株全ゲノム情報は、CDSとして約4,100遺伝子であり、まずはじめにこれらアノテーション情報のデータベース化を行った。その後、プロテアーゼ、セルラーゼ等の有用遺伝子群候補の抽出を行いDSS12株に特化した有用遺伝子データベースを構築した。データベース情報の公開については、本菌株ゲノム論文の出版と同時に行われる予定である。 【DSS12株全ゲノム情報からの有用遺伝子群候補の抽出】 全ゲノム配列情報から、プロモーター配列情報を効率的に検索・抽出し、整理(解析)が可能なソフトウェアの構築を試み、本プログラムをDSS12株ゲノムに適用しその解析を行った。本プログラムのプロモーター候補検索の基本的原理は以下の通りである。1)アノテーション済みのゲノム配列データを読み込む、2)解析者が検索したい目的配列を指定し検索する、3)検索された配列は分類、位置情報、ゲノム上のマッピングを行う。プログラム作成のコンセプトの一つは、実験をメインにした研究者が自身の実験データを元にしながら操作可能にすることであり、そのような機能を盛り込むことも計画している。現在これら解析データは整理中であり、終了後に上記データベース情報と共に公開される予定である。 【有用遺伝子群の機能解析】 ゲノム機能解析として、発現ベクター利用による高発現蛋白の活性測定、及びプロテオーム解析による全蛋白の分布パターンの解析を行った。特に常圧下及び高圧力下における細胞内蛋白の発現の違いを比較した。来年度は質量分析等により、高圧力下特異的蛋白を見出し、それらの記載とデータベース化を行う予定である。
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Research Products
(10 results)